約 1,372,256 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/617.html
684 :名無しの紳士提督:2015/01/08(木) 21 46 05 ID VEzQ244o ふと思ったネタ、深海凄艦を捕えたようです 戦艦凄鬼「ハナセ!ハナセ!人間ナンカニ屈指ナイゾ!」 提督「はいはい、暴れない、悪いようになんかしないからさ」 戦艦「ダマサレナイゾ!コウシテ油断サセテカラオ前ハ私ニ(ピー)ヤ(ピー)ナコトヲスルツモリダロ!」 提督「ナニイテンダ?フジャケルナ!!」 戦艦「ソウシテオマエノ(ピー)デ私ヲ(ピー)デ(ピー)シテ、(ピー)ナコトをスルノダロ!(ハァハァ」 提督「ナニヲジョウコニズンドコドーン!」 戦艦「コウシテ私ヲ慰ミ者トシテ(ピー)シテモ我々ノ誇リハマモル!(ハァハァ」 提督「あ、あの~戦艦凄姫さん?」 戦艦「コンナ屈辱ヲ受ケルクライナライッソ犯セ!…ジャナカッタ殺セ!」 提督「…なあレ級…」 レ級(捕らえられたがそのまま鎮守府に居候している)「ナーニ?ダーリン?」 提督「誰がダーリンじゃ、所でお前らのボスってこんなのか?」 レ「違ウヨ…コンナ変態BBAト一緒ニシナイデクレ」 戦艦「レ級!オンドゥルルラギッタンディスカー!」 提督「(もうやだ)」 708 :名無しの紳士提督:2015/01/10(土) 10 38 00 ID OzTorjww 684 彼我の軍艦や軍籍の船の魂が無念とかで堕ちてしまった存在といわれるのが1番しっくり来るだろうし 彼女等の無念とかを祓えさえすれば、そういう未来も有り得るんじゃないかな (個人的には彼女等を鎮める為に生まれた、艤装への適性がある子が「艦娘」と考えてる。) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/707.html
55 :名無しの紳士提督:2015/10/25(日) 08 50 02 ID 454W76Xo 非エロですけど投下します 今回も独自設定要素が出まくっている感じです なおこの話はフィクションです 実在の人物や出来事とは一切関係ありません 56 :思い出の中のもの、今ここにあるもの:2015/10/25(日) 08 51 26 ID 454W76Xo 「今日は何の日ー?」 子日の元気な声が響く。摩耶も仕事のかたわら子日に答えていた。 「矢矧と黒潮の誕生日だな。それと軽巡洋艦矢矧と駆逐艦黒潮の進水日だ」 「艦娘はやっぱり運命にひかれた存在なんだな」 「あっ、提督だー」 「提督!?お前、出張じゃなかったのか?」 「いやあ、ちょっと早く終わったからな。摩耶、私の代わりにご苦労さん」 「あ、気にすんなって」 「子日も頑張ったよ」 「ああ、子日もご苦労さん」 「やったー、褒められたー」 「しっかし、艦娘ってそういう運命なのかねえ。 アタシも重巡洋艦摩耶の進水日と同じく11月8日か誕生日だしさ」 「誕生日と進水日が一緒だったらもしかしたら沈んだ日と…」 「子日!」 「あっ……ごめんなさい……」 俺は不安な言葉を口走りそうになった子日を制した。 「……提督、今日の仕事はアタシ達に任せてよ」 「いいのか?」 「心配すんなって。子日達も頑張っているからさ。 だからさ……久しぶりにアイツに……鳥海に会いに行きなっ」 「ああ…わかったよ」 俺は部屋を出て再び外へ出かけようとした。 「提督、どこへ行くの?」 隼鷹が俺を呼び止めた。 「ちょっと墓参りに行って、ついでに実家にも寄ろうと思ってな」 「だったらこのお酒を持ってって」 「隼鷹…これは高い酒だろ…」 「いいよ。前に提督に迷惑かけちゃったから、そのお詫びだよ」 「そうか」 俺は隼鷹の厚意を素直に受け取った。 10月25日は俺の大切な人がこの世を去った日だ。 その人がいなければ、今俺はここにいなかっただろう。 俺は大切なその人に何が出来たのだろうか。 むしろその人を傷つけてしまったことしかなかったのではないだろうか。 もしあの時ああしていれば………… そんな後悔が俺の心の中に蘇る。 根拠なんて何もなかったけど。そう思った瞬間はあった。 だけど、何もせずにいつもと変わらぬ日常を過ごしていた。 その後に深い悲しみが待っているなんて思うことはなく………… もし…あの時……どこかで訴えていた何かに応えていたのなら…… 自分の直感。それを信じて行動していれば 取り返しのつかない事に後悔する事もなかったかもしれない。 動かなかった事が俺を幸せから遠ざけ、 そして多くのものが俺の手の届かないところへ行ってしまった。 ……今となっては何の意味もない後悔だ。 俺が今、成すべき事は、今俺をここにいさせてくれた過去の人達を想い、 感謝し、そして今を生き、未来へと歩いて行く事…… 俺は様々な想いを胸に抱きながら、大切な人の墓参りへと出かけた。 大切だった人が眠る地に着いた。ここは山の方とはいえ昔と全然変わってないな。 いや、少し賑やかになったかな。海沿いの街は結構変わっていたから。 俺が小さい頃によく遊びに行っていた所は海に接する街だった。 海に接している事なんて全く意識していなかったけど、沢山の人達がいた事は覚えている。 だが今は街から活気が消えていた。明らかに人が少なくなっていた。 駅前の商店街は元々さびれつつあったが、深海棲艦の出没以降それが更に加速した。 深海棲艦を恐れた人々は内地に移り住み、様々な商業施設を作っていった。 昔からあった街への通り道が新しい街となり、昔からあった街は少しずつ街ではなくなっていく…… 街も、通り道も、どちらもすっかり変わってしまった。 今街にいるのは昔から代々受け継いできたものを守り続ける年寄りがほとんどだ。 大きな駅も、田舎から大都会へと乗り継ぐ為だけの場所となっていた。 ………っとと、ちょっと物思いに耽ってしまった。墓参りに来たというのに全く関係ない事を…… 俺は大切だった人が眠るお墓へ向かった。 そして、そこにいた俺の大切な人に声をかけた…… 「え……しれ…あ…あなた!?」 そこにいた彼女―伝説の重巡洋艦鳥海の力を使える艦娘であり、俺の愛する妻―は驚いていた。 「出張が早く終わったからな。摩耶の厚意もあってここへ来たんだ。 ったく……久しぶりに会ったらどうだとか言うが精々一週間程度じゃないか」 「一週間でも寂しかったですよ……」 「すまない……」 俺が出張に行く時に鳥海と離れ離れになったのにはわけがある。 俺達には子供がいたが、その子は艦娘の子供だった為色々と調査の対象となっていた。 現在艦娘の子供というものは俺達の子供以外にはいない。 艦娘の活動行為が胎児に悪影響を及ぼさないかという心配もあったし、 艦娘として一度は力を行使した時点で普通の人間とはほんの少し、 だけど僅かでしかない程度に遺伝子に変質があったらしい為 艦娘から生まれた子供がどんな存在になるかという不安も広がっていた。 だから俺達の子供を調査する事によって、問題なければそれでよし、 問題あってもハッキリと諦めはつける。 だから他の艦娘の為に俺達は証明をしようとした。 そして小さな子供を長時間母親と離すわけにもいかなかった為、 俺は出張に鳥海を連れて行かなかった。 「お墓の掃除も君がしてくれたんだね」 「はい」 「ありがとう」 俺は感謝した。 「俺の父方の祖母は13年前の今日亡くなった。 その前日、いつもは行こうとは思っていなかった病院にお見舞いに行こうかとふと思った。 だけどお見舞いには行かなかった。そして……」 「…………」 「もしあの時行っていれば……ボケてしまって俺の事がわからなくなっていたとしても、せめて…………」 「……重巡洋艦鳥海も71年前の今日沈みました。でも私は沈みません…死にません。 私が重巡洋艦鳥海の進水日と同じ4月5日に生まれた艦娘だとしても!」 「ああ、そういう運命だけはお断りだな。 俺の大切な人の一人である父親は重巡洋艦鳥海の進水した4月5日に生まれ、 俺の祖母は重巡洋艦鳥海が沈んだ10月25日に亡くなった。 こんな事を言うのは変かもしれないけど… 『鳥海』は俺の大切な人と何かしら繋がりがあるから、 鳥海の艦娘である君も大切な人と思ったかもしれないって……」 「でも私を好きになった最初の理由は私があなたのお母様や初恋の人と似ていたからでしょう」 そう言われると少しすまない気持ちになってくる。 似ているといっても、母親は眼鏡をかけていて、初恋の人も眼鏡をかけていて、 結局安心出来るものを外見から求めていただけなのかと思ってしまう。 「でも…でも、だからこそあなたが私を選んでくれたのだと思います。 あなたの心の中に刻まれた、あなたが安らげる女性像、それを持つ私を…… だからあの人達に感謝しなければいけませんね。 あの人達がいなかったら今こうして幸せでなかったかもしれないから……」 「俺にとってもそうだな。クレオパトラの顔付きが少し違っていたらって話を聞くけど、 もし俺の大切な女性達が眼鏡をかけてなかったら、また違った運命だったかもしれないな」 「運命ってわかりませんね」 「…………考えてみれば俺達が今こうしていられるのも、 俺達に直接関わった人達だけじゃなく、 俺達が生まれる前からずっと頑張っていた人達のおかげかもしれない。 あの戦争では、散っていった人達も、生き残った人達も、 みんな大切な人を守る為、幸せの為に頑張っていたはずだ。 それがたとえ、どんな形だろうとな……」 「ええ……」 彼女も頷く。彼女が知った重巡洋艦鳥海の記憶から 俺の想像が少なくとも大きくは間違っていないと裏付けたからだろう。 「それに戦場で戦っていた人だけでなく、日本に残された人達も 戦場で戦っている人達がいつか帰ってくる場所を守る為に生きていたはずだ。 その人達か頑張って生きて、そして生き残り、 死んでいった人達の想いを継ぎ、帰ってきた人達と共に再び歩き出していき、 戦いで全てを壊されたこの国を復興させていった。 俺達が今ここにいる事をその人達に感謝しなければならない」 俺は墓に改めてお参りをした。戦争を生きた人達、 そして、今まで命を繋げてくれた全ての人達への感謝の気持ちを伝える為に…… ブルルルッ!! マナーモードにしっぱなしだった電話が鳴った。 慌てて電話に出た俺の耳に摩耶達の声が響いた。 「提督、大変だ!深海棲艦の大群が港街を狙って進軍して来ている」 「深海棲艦の大群が!?」 「今は何とか沖の方でせき止めているけど…」 「このままだと突破されちゃいそう!」 「落ち着け子日!そう簡単に突破されはしないだろうけど、 もしもの事があったら大変だ。 鳥海と一緒にいるなら今すぐに帰ってきてくれ!」 「ああ、今鳥海と一緒にいるからすぐに戻る!」 そう言って俺は電話を切った。 「…ええ、タクシーをお願い」 俺が電話している最中に鳥海はタクシーを呼んでいた。 「タクシーを呼んでおいたわ。10分くらいかかるみたいだけど…」 「そうか…」 「ところでこのお酒は…」 俺は隼鷹からもらった酒の事を忘れていた。 父親への土産に持っていこうと思ったが、そんな暇はもうなかった。 「仕方ない、親戚の家に預けて来る。タクシーが来る前に戻れるはずだ」 俺は全力疾走した。 「今帰ったぞ!」 「鳥海、ただいま戻りました!」 「二人とも、戻って来てくれたんだね!」 子日が明るく迎えてくれた。 「ごめん提督。アタシがもうちょっとしっかりしていたら…」 「気にするな。人々の為に戦うのが俺の…俺達の役目だ。それより状況は?」 「なんとか均衡状態だよ」 「ありがとう、摩耶」 「鳥海……迷惑かけてごめんよ」 「いいのよ。それよりも出撃準備は」 「出来てる!」 「それじゃ行くわよ!摩耶と私の二人が揃えば、勝てない相手なんていないわ!」 「ああ!」 先程まで落ち込み気味だった摩耶が戦いで挽回出来るからか元気を取り戻して答え、出撃した。 「提督、子日達がもっとちゃんとしていたら提督達の休日を潰さなかったかも…」 「無理してくれなくてよかったよ。俺達の都合の為に犠牲者が出たら、 今まで命を繋いできてくれた全ての人達に申し訳が立たないからな」 「????」 「説明は後だ!」 「はいっ!」 俺達が今ここにいるのは、沢山の人達との出会いと別れがあったからだ。 だけどそれだけじゃない。自分も、他の人達も、 みんな誰かから命のバトンと様々な想いを受け継いできた。 そして俺達に繋いでくれた人達も、また別の誰かから受け継いでいる。 過去の人達が頑張って生き続けていたからこそ今の俺達も生き続けている。 そして俺達も生き続け、過去の人達が次の世帯へ命のバトンと想いを渡したように、 次の時代を生きる若い者達に命のバトンと想いを渡そう。 俺達は守り続ける。命のバトンを落とす事なく受け渡せる世界を。 ―終わり― +後書き 62 :名無しの紳士提督:2015/10/25(日) 09 05 40 ID 454W76Xo 以上です。今回はちょっといい話的なものを書くつもりで書きました 書いている時に改めて過去作を読んでいたら 矛盾してしまう場面もあったのでちょっと書き直しました シリーズものは整合性のために見直すのも大切ですね ちなみに俺はここまで立派な人間に離れてません もっと立派な人間になりたいです…… これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/109.html
「コラ!俺を第一線がら下げるなっての!」 ドック内に罵声が響く。 天龍型一番艦天龍…綺麗なショートカットに緋色の瞳。そしてちょっと尖った形の大きい胸とプロポーションの整った肉体。 そんな容姿端麗の姿からは想像の出来ない言葉の荒さ。 先の戦闘にて破損した為提督よりドック入りを命じられ、半ば強引にドックへ入れられたのが不満であった。 「くそっ!なんで俺が…」 そうぼやきながらもドックでの修理が始まる。ところどころ破けた衣服が損傷具合を物語る。 普段から勝気のせいか、建造以来ドックに入っては出て行っての繰り返しをする天龍。 「もうガタガタ言ってもしょうがねーか…」 ドックの常連の為、修理が始まればどうにもならないことを悟り諦めに入る。 「仕方ねぇなぁ~」 「あとはまぁ任せるぜ」 そう言ってドックで仮眠に入る天龍。 それからどのくらいの時間がたっただろうか…躰に伝わる違和感で目を覚ます。 「んんっ…?」 誰かに抱き締められ明らかに胸を触られている… その感触に最初は鈍い反応を示すが違和感を悟ると慌てて起きる。 が、躰を抑えられ起き上がれない。 「くっ」 こんなことをするのは何処の誰だ?そう思いながら怒りの表情で振り返る。 するとそこには天龍と同じ髪の色をしたセミロングの女の子。 華奢な躰付きからは想像も出来ない力で抑えられる。そして目が合うと紫色の瞳が怪しく光る。 「お、おまっ!んっ!!」 怒り、叫ぶその瞬間、唇を唇でふさがれる。 そしてすぐさま進入してくる舌が天龍の口内をまさぐる。 「んーっ!んーっ!!」 怒りの表情を浮かべながらも思いもよらない行動に驚き、一瞬の隙に両手を押さえられてしまう。 そして口元は抵抗も出来ずなすがままにされてしまう。 唇を舐められ舌を絡められ抵抗が出来ない。しばらくそんな状況が続き相手が満足したのか唇を離す。 「い、いきなり何をっ!」 唇が離れた瞬間、涎の糸を引きながら叫ぶ。 「うふ、何か気になることでも?」 袖口で糸をぬぐいながら余裕の表情を浮かべる女の子。 天龍に良く似た顔と華奢に見える躰、胸は天龍とは異なりマシュマロのようなふっくらとした大きな乳房。 女の子特有の甘いにおいを香らせる彼女。それが天龍型二番艦龍田。 「何かって!見れば分かるだろ!ドックで休んでるんだよ!」 いつもどおりの荒い言葉で叫ぶ。 「うん、知ってるわよ。気持ちよさそうに休んでいたからもっと気持ちよくなってもらおうと思って」 そういって天龍の服の中に手を滑り込ませ胸を触る。 「ひゃぁっ!!」 普段出さないような女の子らしい悲鳴を上げる。 「あら~わたしのキス、そんなに良かった?」 「もう乳首ビンビンに立ってるよわよ~」 硬くなった乳首を指で転がしながらその感触を確かめる。 「う、うるさいっ!!」 「さっさとその手を止めろ」 顔を赤らめながら叫ぶ天龍。 当然そんな制止は龍田には届かない。 「だって気持ちいいんでしょ?天龍ちゃん」 「乳首硬くして、こんなに躰ビクビクさせちゃってさぁ…」 「可愛いね~」 手で胸を刺激しながら徐々に服を脱がせる。 天龍も嫌がりはするものの龍田が躰を押し付けているせいか思うように抵抗できない。 「やめっ!んんっ!!ぁんっ!!」 「や、やめっ!ひゃぁっ!!やめろぉ」 顔をますます赤らめ時々甘い声を出しながら龍田を押しのけようとする。が、それもかなわずもぞもぞと抵抗するたびに徐々に脱がされる衣服。 ジャケットは傍に転がりシャツのボタンは全て外される。 その間も天龍の胸を手で揉み解し、乳首を刺激し、首元にキスマークをつけ、時には乳首を唇で吸い上げる龍田。 「ひゃぁぁんっ!!」 「やめろぉ…やめろぉよぉ…」 「んんーっ!!はぁはぁぁ!!」 最初の頃からは大分大人しくなる天龍。抵抗がかなわない諦めと、躰が快楽に反応してしまっているせいかだんだんと勢いが無くなる。 「ほら、後一枚よっ!」 しばらくすると上半身は下着一枚の姿になる。そして龍田はその一枚もためらうことなく脱がす。 「はいっ!」 掛け声と共にブルンと飛び出す天龍の乳房。大きな胸に綺麗な桃色の乳輪、そしてツンと尖った乳首。 「やった」 「天龍ちゃん、凄く興奮してるねぇ」 「わたし嬉しいなぁ~」 にやにやと微笑みながら天龍のロケットのように尖った乳房を楽しむ龍田。 「はぁ…はぁ…ひゃぁっ!!」 「そ、そんなにっ!!あぁんっ!!」 「…んんっ!や、やめっ!!はぁんっ!!」 乳房をしつこく刺激され全身に快楽が走る。その淫らな快楽で意識は淀み、躰は火照り欲情する。肌にはしっとりと汗をかき、その艶っぽさが龍田を更に刺激する。 「ふふふっ…天龍ちゃん、凄くいいにおいする」 「はぁ…んんっ!」 そう言いながら責めるを止めない龍田。首元を舐め、舌を這わせ天龍の腋まで刺激する。 「そ、そんなところ!ひゃぁぁんっ!」 腋を舐められ妙な刺激が伝わる。 「はぁぁぁ…天龍ちゃんの腋、いいにおい…」 「んんっ!」 香りをかぎながら舌で執拗に刺激する。 「ふぁぁっ!!」 「やめっ!!!っんん!!」 「なぁに?やめてほしいのぉ?」 「とか、言いつつほんとは気持ちいいくせにっ!」 普段も強気の天龍。抵抗は弱くなるものの、龍田の快楽の責めにはなかなか折れない。そんな様子を確認しながら今度はスカートに手をかける。 そして一気にめくり上げる。 「ひゃっ!」 「だ、だめっ!!」 「見るなっ!!見るなぁ!!」 顔を真っ赤にして叫ぶ天龍。スカートの中には真っ黒なショーツ。布の少ないTバックタイプのを身に付けていた。 しかし、そのショーツはもはや役には立たず止めることの出来ない大量の愛液で濡れていた。 「天龍ちゃん、どうしたの?」 勝ち誇った表情で問いかける龍田。 「くっそがぁ…っ!」 一番恥ずかしいところを見られて激昂する天龍。 だが既にイニシアチブを龍田に取られている状況ではもはや戦況は覆らない。 「そんな怒った表情もそそるなぁ~」 そう言って唇を舌なめずりをする龍田。 そして今度は盛り上がっている自分のスカートをゆっくりと摘み上げる。するとあるはずの無いものがそこにはあり天龍を驚かせる。 「お、おまっ!な、なんだよ」 「そ、それっ…!?」 龍田のスカートの中には白いレースのついた可愛らしい下着が秘部を隠しているものの、天龍と同様、愛液により濡れており無毛の恥丘が透けて見える。 驚くべきはその上。秘裂の付け根から伸びる大きいそれ。可愛い下着からはみ出したそれはあまりに似つかわしくない。 「うふ、何か気になることでも?」 それはどう見ても男根だった。華奢で可愛い龍田からは全く想像出来ないもの。 「わたしの14cm単装砲はどうかしらぁ?」 がちがちに硬くなっているそれは先端からはカウパーを溢れさせ準備万端だった。 「ど、どうって…お前…」 ただただ驚く天龍。女の子の龍田にそれが付いていることや、その大きさ、太さ。あまりの出来事に頭が付いてこない。 そんな驚き固まる天龍を尻目に息遣いが荒くなる龍田。 「はぁはぁ…はぁはぁ…」 「もう我慢できないなぁ~」 そう言って力任せに天龍を押し倒す龍田。 「ふぁぁっ?!」 「や、やめっ!」 突然のことに驚くも、先ほどからの快楽で力も入らずあっさり押し倒されてしまう。 「はぁはぁはぁはぁ…」 荒い息遣いで男根を天龍の下着に押し付ける。 「お、おいっ!!やっ!!!」 慌てて止めようとする天龍だったが暴走する龍田は一気にそれで貫く。 「はぁいっ!」 押し付けた男根は愛液とカウパーで潤滑剤の役割をし、生地の少ない天龍の下着の隙間から秘部へ一気に挿入される。 「ふぁぁぁっ!!!」 思わず驚きと悲鳴が混ざるような声で天龍が叫ぶ。 龍田は挿入したそれを一気に膣奥まで進入させる。溢れる愛液のおかげで子宮口まで一気に到達する。 「あはぁ…天龍ちゃんの膣中、あったか~い」 「ぬるぬるしていてキモチイイ~」 そう言って大きくゆっくりと確かめるように腰を動かす龍田。 「はぁんっ!!」 「こ、こんな、こんなのっ!!」 「ちょっとぉ~天龍ちゃん、そんなにキモチイイのぉ?」 「膣中締め過ぎだよぉ~」 あまりの気持ちよさに快楽をコントロールできない天龍。本能のまま龍田の肉棒を締め付ける。 「ふぁぁぁんっ!!」 「そ、そんなこというなぁっ!!!ひゃぁあぁっ!!」 少しでも腰が動くたび膣中が不規則にぎゅっぎゅっと男根を締め上げる。 そして第一回目は予告無く訪れた。 「んっもうっ!気持ちよすぎるからって!」 「締め過ぎだよぉ」 そう言って肉棒を膣奥に挿入した瞬間。 「あっ!?く、くるっ!!」 「ふぁぁんっ!だ、だめっ!」 「はぁはぁはぁぁぁぁあああんっ!!」 いきなり絶頂を迎える天龍。そしてその瞬間、子宮口を刺激している肉棒を吸い上げるように締め上げる。 「ちょっ!ちょっとぉ!!んんーっ!!!」 突然の天龍の絶頂と締め付け。それに伴う強烈な快楽が龍田を襲い身構えることも無くあっさりと白濁液を発射する。 「んんっ!!はぁぁんっ!!」 「はぁぁぁっ!!お、奥に…出、出てるっ!!」 「こ、こんなの、気持ち…良すぎる…」 「我慢とか…無理…無理…」 天龍の搾り取るような締め付けに膣奥で暴れる肉棒からどぼどぼと溢れる白濁液。 快楽のあまり全く制御も利かず本能の赴くまま肉棒を締め上げる天龍の膣と、それにひたすら濃厚な精液を出し続ける龍田。 「あははっ!!」 「こんな…んんっ!凄い…はぁんっ!!」 「赤ちゃん出来ちゃうぐらい出しちゃってる!!」 あまりの快楽にイクのが止まらない天龍だが龍田の台詞を聞いた瞬間、動揺してしまう。 「はぁぁっ!!」 「は、孕むの…だ、だめだっ!!」 「はぁあっ!!!だ、駄目なのにっっ!!」 「ひゃぁあぁっ!!」 「イ、イクのがぁっ!!はぁっ!!」 首を振り妊娠を恐れるものの快楽を止めることもできずひたすら肉棒から精液を搾り続ける。 締め上げるたびに膣奥に吐き出される精液。 「ふふっ!」 「天龍ちゃん、かわいい~」 「孕むの嫌だと言う割には淫欲に負けてきゅっきゅっ締め付ける膣中」 「もっと素直になればいいのに~」 戸惑う天龍を見下ろしながらにやにやと微笑む龍田。 「んんんっ!!」 「ちっ…ちっくしょぉ!」 意識とは別にイクのが止まらない天龍が怒声を上げる。そしてキッと龍田を睨み反抗を見せる天龍。 「んー?」 「躰は気持ちよくなっているのに…」 「天龍ちゃんがなんかすご~い顔でにらんでるし、うふふ」 「なぁに?あんなによがっていたのに…素直じゃないなぁ~」 「仕方ないわねぇ~」 「追撃するね~、絶対逃がさないんだから」 天龍の反抗的な瞳が龍田の加虐心を強く刺激する。 どうしても堕ちる姿が見たくなった龍田は膣中から抜かずにそのまま腰を動かしだす。 「ちょっ!ま、まてっ!!ひゃぁっ!!」 「い、イッたばかりだから…んんーっ!」 一度絶頂を迎えている天龍の躰はかなり感度があがり少しの刺激が強烈な快楽になり前身に伝わる。 「ふぁぁっ!!」 「や、やめ…んっあぁんっ!!」 腰を動かすたびに女の子のような甘い声を出すようになる天龍。挿入を繰り返す無毛の秘裂からは先ほど出された精液が愛液と混ざりながらあふれ出る。 恥丘の端からは真っ赤に腫れ上がったクリトリスが顔を出している。 「ふふっ天龍ちゃんのアソコ、凄く可愛いわぁ~」 「こんなに腫れちゃって…えいっ!」 そう言いながら天龍のクリトリスを刺激する龍田。 「ああぁんっ!!」 「そ、それダメだっ!!」 そう叫んだ瞬間再び膣中が震える。 「はあぁっっ!!」 「い、いっくぅっ!!」 腰がガクガクと振るえ龍田の肉棒を締め上げる。 「んんっ!!」 「き、きつぅ…」 天龍の締め上げに思わず射精しそうになる龍田。 「もう、すぐにイッちゃうんだから…」 「もっとわたしのことも考えてよぉ~」 「そんな娘にはおしおきー」 自分で刺激しておきながら意と反する絶頂を迎える天龍に理不尽にもおしおきをする龍田。 「そんなに敏感ならこんなのはどう?」 そういうとイッたばかりの天龍のクリトリスを更に刺激する。 「あがっ!!」 「あ あ あ !!」 すると再び強烈な絶頂が天龍を襲いさっきよりも強めに膣中を締める。 「ひゃぁっ!!」 その波打つような刺激に思わず龍田も悲鳴を上げる。 そして先ほどとは違い膣口から液体が飛び出す。 「あれ?天龍ちゃん…」 「もしかし…それ潮?」 何が起こったのかもはや頭が回らない天龍。 「あはは~天龍ちゃん潮吹いた~」 「そんなに気持ちいいの~?ここー」 嬉しそうに膣口を刺激しながら腰を動かす。 するともう完全に淫欲に飲まれ膣奥からはドロリとした本気汁が垂れ、肉棒の出し入れの手助けをする。 「も、もう…」 「こ、これ以上は…はぁぁんっ!!」 もうここまで来ると天龍の意識は性欲に負け抵抗をするのを諦めていた。 ただただ龍田に身を任せひたすら淫靡な快楽の海を漂う。 「んっんんっ!!」 徐々に腰の動きを激しくしていく龍田。そして繰り返し小さい絶頂を迎える天龍。 もうお互いに快楽の頂点が迫ってきていた。 「はぁはぁ…天龍ちゃん…本当は…」 「んっ!もう…我慢…出来ないんでしょ?」 腰をばしばし打ち付けながら耳元で囁く龍田。 それもそのはず。天龍の乳首はしっかりと勃起し秘裂からはもう止まらない愛液。膣奥にはこんこんとあたる子宮口が下りてきている。もう絶頂が近いのは言わなくても分かる状態だった。 「ほらぁ…はぁぁんっ!」 「ちゃんと…正直に…言わないと…んっ」 「膣中で出してあげないわよぉ」 腰を打ち付けられるたびに快楽が走り脳髄を麻痺させられていく天龍。 ここまで来るともはや思考回路は働かない状態だった。 「ほらぁ…どうなのぉ?」 「んんっ!」 唇が重なり改めて下を絡める。上からも下からも快楽が襲いもう抵抗など出来なくなっていた。 「はぁぁんっ!!」 「もう…っ!!だ、ダメだっ!!」 「出せっ!!我慢…出来ないんだっ!!」 そう叫ぶと脚を龍田の腰に絡ませ中出しを要求する天龍。 「あははっ!そんなに?そんなになぉ?」 「赤ちゃん、孕んじゃうかもよぉ?」 全くあせることなく嬉しそうに質問をする龍田。 「はぁんっあぁっん!!」 「だ、だって…こんなの…こんなにきもちいいの」 「が、我慢できるか!」 そう叫ぶと自ら腰を動かし快楽を貪る。 それに答えるように龍田も男性と変わらないくらいの激しい腰の動きで絶頂へと上っていく。 「んんっ!!」 「はぁはぁぁぁっ!!」 「そ、そんなにっ!!」 「ダメだっ!!もう…いぃぃっ!!」 「イクっ!!!」 先に絶頂迎えたのは天龍だった。強烈な締め付けと溢れる潮。躰がガクガクと震える。 「んんっ!!」 「わたしもぉ~」 その締め上げにつられ龍田も絶頂を迎え膣奥に再び精液を吐き出す。 「はぁぁっ!!」 「膣中に熱いのが…」 龍田の精液を受け止めながら悦びの表情を浮かべる天龍。 「きもちいぃ~」 「こんなに出したら本当に孕んじゃうわよ~天龍ちゃん」 射精をしながらにやりと笑う龍田。 「ってもう聞こえてないかな」 そんな龍田をよそに天龍は射精の快楽を味わいながら躰をビクッビクッと震わせ満足そうに絶頂の余韻に浸っていた。 こうして小さいドックの中での淫靡な時間は過ぎていった… …………… ………… …… コンコン。 提督の部屋にノックの音が響く。 「開いているわよ」 若くして艦娘達の提督となった女の子がその部屋にはいた。 「龍田です。入りまーす」 扉を開けると普段よりも艶っぽい龍田が入ってくる。 「天龍ちゃんについて報告でーす。先にドック入りした天龍ちゃんですが修理時間延長です」 その報告を聞きふーっとため息を吐きながら提督が質問をする。 「何をした?」 「いやぁ…色々「お手伝い」しているうちに熱くなって…」 綺麗な髪をいじりながら気まずそうな表情を浮かべる龍田。 「…まぁいいわ、あなたのその表情を見れば何をしたかは想像できるわ」 「下がっていいわよ」 「はぁ~い」 「あ、提督のも「お手伝い」しましょうか?」 そう言っていつもの表情で微笑みなが舌なめずりをする龍田だった。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/354.html
43 :43:2014/04/20(日) 20 28 26.56 ID GxRafqlR 以前クズ提督とか加賀と翔鶴の修羅場とかを投下した者です。 浜風ものを書いたので投下します。 例によって 長い エロが薄い ので嫌いな方はスルーしてください。 ただ今回は修羅場とかバッドエンド成分はだいぶ薄いと思います。 1 六畳半の、畳敷きの、何もかも必要以上という事の無いように設計された部屋の中で、唯一大仰な佇まいである壁掛け時計が静かに時を刻んでいた。 ごつ、ごつ、ごつと柔らかい地面に石を落とし続けているような音を発しながら、秒針は重たそうにその身をずっと振り続ける。 鼓膜を圧迫する沈黙へのただ一つの抵抗に、だが救援が現れたのは突然の事であった。 「起きてくださいな」 靄だった、掴み所の無い女の声。部屋の中央、蒲団の北側に寝そべる彼女は、身を捩りながらゆるゆると手を持ち上げた。 華奢な手首が隣に寝そべる男の肩に乗せられると、それをきっかけとしたように彼の寝息はぴたりと止んだ。 代わりに犬の呻いたような声や荒い深呼吸の擦過音が、覚醒した意識を示すように口から漏れ出してゆく。 「あたし、色々なお客さん知っているけれど、し終わった後にぐぅすか寝ちゃうのなんてあなたが初めてだわ」 拗ねた声音に酷く人工的な媚を感じながら、男はゆったりと瞼を持ち上げた。 朱色の照明が瞳孔をぎゅっと圧縮し、水浴びしたみたいにすっきりとした脳みそは、返答の言葉をすかさず口腔へと運ぶ。 「お金のほかにも、貴重な睡眠時間を削って逢いに来ているんだよ、僕は。激務なんだから、ほんとは君を抱くより寝ていたいんだ」 「まぁ! あたし強制した覚えはないわよ」 「精神的には求めていないはずなんだけど、体がね、言うことを聞かないんだな」 口元にふわりと握った拳を当てながら、彼女はくすくすと肩を震わせた。どうして娼婦というものは皆笑い方が上品なんだろうと、 彼は首を傾けた。それから枕もとの腕時計を手に取りながら、壁掛け時計の針をちらりと覗き見る。 この部屋への礼儀として、時刻確認は腕時計でしては駄目だと思っていた。娼館の小部屋に不釣合いな時計は、だからこそ特有の尊厳を醸し出し、もしかしたら女を抱くためではなくこの時計を見るためにこそ時間を割いたのではないかと思えるほど、それは強大なものであった。 「でも、あなたの仕事場には女の子しかいないんでしょう? 欲求不満とは無縁そうだけれど」 蒲団からのそのそ這い出して、女も小首を傾げる。仕事だから仕方ないとは言え、余りに均整のとれた媚を何度も見せ付けられると胃もたれしてくるのだった。 男は頬にそっと手を這わせ、顔を自然な位置に戻してから口を開く。 「言うだろう? 一盗二婢三妾四妓五妻……」 「あら、私は四番目?」 「残念ながら、うちには人妻もいなければ女中もいない。独身だし、ましてや恋人もいやしない」 「やった。一番だ!」 苦笑しながら散らばった服を着込む。どうせ鎮守府に戻れば制服へ着替え直さなければならないから、億劫な事この上ない。 しかし素っ裸なまま外に出るほど、まだ人間を捨てたつもりもなかった。 「また来てくださる?」 部屋を出る直前、再三の女の媚が背中へ降り注ぎ、彼は一つ溜め息をついた。 「休みがとれればね」 そして敷居を跨ぎ戸の軋む音を聞きながら、とうとう気配を感じなくなると、そこでようやく安心が心中にじんわりと広がった。 外套を羽織り、ポケットに手を突っ込んでからゆったりと歩き出す。階段を降りロビーを抜けて、娼館の出入り口を開け放った。 建物が夕日を妨害して、路地は宵の様相を呈している。だが空高くを仰ぎ見れば、抜けるような橙の雲が未だ明るく光っていた。既 に帰還予定時の一刻過ぎ、だが彼は慌てる事も無く、てくてくと歩を進める。 そもそも海軍に休暇などという話ではあるが、それでも羽の休める時間は欲しかった。彼には提督としての自分が、完全に一個人で ある自分と合体してしまうことへ、かなりの抵抗があったのだった。潜在的に仕事人間になる事のできない性質で、だからこそ月に一 度、半日だけの休暇が必要不可欠であったのだ。 上層部への、この特殊な有給の懇願は、思いのほか容易く汲み取られた。それは彼が提督職を厭に思いながら、反面成績は優秀であ るという矛盾の証明でもあった。まさしく今、その休暇を使いきり、彼の心内は暗澹たるものである。 道のり十五分、もうすぐ鎮守府の正門へ辿り付く頃合に、目の前遠くに人影が見えた。歩調は荒々しく、頬には朱が差されている。 馴染みのセーラー服の上にコートが羽織られ、裾が寒風を受けはためいていた。 長い前髪を揺らす彼女、浜風は、怒気を隠そうともせずみるみる提督に近づいてゆく。 「遅刻です! 今までどこをほっつき歩いていたんですか!」 開口一番の怒号は、提督の鼓膜をびりびりと震わせた。醸し出される覇気を全身に受け、思わず背筋が鳥肌立つ。 まさか娼婦を抱いてたとも言えず、彼は黙してはにかんだ。事実そのままを伝えれば、生真面目な彼女の事である。最悪失神しても おかしくは無いだろう。 矢継ぎ早に繰り出される小言を聞き流しながら、唯何となくといった心緒が眼を動かした。服の生地越しの彼女の体躯。豊かな胸や 肉つきのいい大腿、相反する背丈。トランジスタグラマーとは死語に近いが、しかしこの体躯に名をつけるならまさしくそれが相応し い。 男ならば誰しも情欲に駆られるべき肉の造形に、だが提督は唯の一片もそそられはしなかった。別段、既に欲望を吐き出しつくして あった為ではない。彼女の生真面目さが一種の神聖を現出させ、そこに厭わしさを覚えずにはいられなかったからだ。 仕事の関係に終始するならば、提督は浜風を好んでいた。歴代の秘書の中、最も肌に合っているとさえ思ったほどだ。元々無駄が嫌 いな性分である。彼女の簡潔で的確な仕事は、悉く妙々、能率も格段に上がっていた。 だが、私生活においてまで何か一緒をするとなると、それはぞっとしない空想なのである。恐らくは俗の極みである自身が、対極に 位置する彼女に気後れしているのであろう。魚が清水を忌避するように、提督は穢れ無き純真を苦手に思っていたのだった。 2 まただ、と浜風は思った。斜め前を行く提督からの、ほんの僅かな香の残滓。甘ったるいオリエンタル系の、間違えなく女性しか付 けようのない匂いが微かに鼻腔を刺していた。 休暇の度に毎回遅刻する彼は、何時もこの香りを漂わせながら帰還していた。その事に気が付いたのは実は極最近のことであったの だが、一度ふいに嗅ぎ取ってしまって以来、やたらに鼻につくようになった。 何処に行っていたのかを聞いても、適当にはぐらかされるだけだ。彼はそれで充分誤魔化せたと思っているらしいが、その曖昧な態 度は寧ろ怪しみを増大させていた。はっきりしないということが厭で厭で仕方ない性分である。腹の底から苛々が際限なく湧き出して、 どうにも気分が悪かった。 執務室まで戻り、机の上に山積された書類を指し示す。提督は眉を顰めた後、露骨に気だるそうな風を装いながら着席した。 「夕食まで二時間です。それまでに終わらせてください」 浜風は彼の横に立つと、大げさにそう口にした。小さい子供が駄々をこねる様な口ぶりに思えて、提督の頬は独りでに釣り上がった。 勿論彼女に見られれば余計面倒臭いことになるのは分かっていたから、下唇を噛み締めて肩が震えるのを押さえ込む。 指示が無謀なものであることくらい、彼女自身も理解していた。だが遅刻さえしなければ容易に終わらす事のできる仕事量であった はずなのだ。 恋人との睦みあいに勤しみ過ぎてこんな事態になったのだから、同情の余地は欠片もない。浜風はそう考え至ると、溜飲下げる思い で提督を見下ろしていたのだった。 これは、彼女が生娘であるが故の誤解であった。欲望は等しくモラルの上にひれ伏すと、ましてや尊敬の念を抱いている直属の上司に 疚しい所はないはずだと信じて疑わない、生粋の処女が至った勘違いであった。海軍の将兵は自分より偉くて優秀であるという、謙遜 からの聖人視が提督の姿を酷く歪めていた。性欲の為だけに金を払いそれを解消するビジネスがこの世にあること事態、嫌悪をしてい る彼女であった。まさか提督が、それに加味しているなどと思うわけもないのである。 結局、食堂集合のベルが鳴る頃には八割の書類が消え去っていた。伊達ではない成績であったが彼女の顔に笑みは無く、そして未だ 赦す気もありはしなかった。残った仕事を足したとて、この提督ならば夜の仕事を長引かせる事は無いだろう。実務の面での滞りは一 切無いであろう事を理解しながら、苛々は腹底に溜まり続ける一方である。 もうあの匂いは消えていた。いや、もしかしたら鼻が慣れただけなのかもしれないが、どちらにせよ香りを感じる事はできなくなっ た。だのに、女の残滓が未だ彼の周りに漂っている気がして、不愉快な事この上ない。嫉妬という感情を知るに、未だ彼女は高潔過ぎ たのだ。 雷に手を引かれ、提督は第六駆逐隊のいる長机へ向かった。それを横目に見、浜風はより一層奥歯を噛み締める。好意を惜しげもな くぶつける艦娘を見ると、忌々しさが心内をのた打ち回るのだった。仮にも海軍の一員であるのだからふしだらな真似は控えるべきだ し、ましてや手を取るなぞ言語道断の不品行である。そう思えど、注意をしたならあらぬ誤解が生じるであろうことに疑いは無かった から、この煮えない感情は消化のしようがないのだった。 「独りなの?」 つと、背後から声をかける者があった。朗らかでありながら、どこか凛とした風格を備える声音。仰々しい艤装を解いた姿は宛ら年 頃のお嬢様であって、どう見繕ってもこの鎮守府の最終兵器だとは思えない。 戦艦大和は浜風の隣に立つと、愛想の良い笑顔を爛漫と向けた。浜風の心中には、未だ彼女が懇意に接してくれる事への感謝と後ろ めたさがあって、その交錯はさも複雑な様相を呈していたのだが、勿論当の本人にはそんな事知る由も無かったのだった。坊ノ岬、護 りきれず先に逝った事。過去の事だと一蹴するには、記憶の中の無念と悔悟が厭に生々しく再現される。 大和は提督が手を引かれ離れていくのを目に取ると、得心いった表情で言葉を続けた。 「なるほど、ふられちゃったのね」 「ちがっ……別に提督なんか、何処に行ったって構いません!」 反応を見、くすくすと笑い声を漏らす大和に、浜風は恨めしい視線を送った。 結局浜風は、大和と武蔵の定位置に参入する形で食を取る事になった。駆逐艦の中ではそれなりの体躯である彼女ではあるが、眼前 に戦艦二隻もあれば流石に小柄さが際立ちもする。どうにも居た堪れない気持ちを抱きもするが、流石に食い終わってすぐ席を立つの も無礼ではあるし、暫くは話に参加していた。 話の内容そのものは、大変有意義ではあった。もうこの鎮守府に慣れたと言える位に歴も長い彼女だが、それでも二人に比べればま だまだ新参もいいとこだった。未だ秘書として、半ば提督の庇護下にあるようなものであったから、存外知らない事も多かったのだ。 「提督って、今恋人はいるのでしょうか?」 会話の流れでそう疑問を口にした浜風は、次の瞬間には開いた間によって、発言の危うさを自覚する羽目になった。ふと視線を上げ てみれば、武蔵はぽかんと口を開け大和は笑顔のまま硬直している。慌てて、 「いえ、私が提督をどうこうというわけではありません! 純粋に疑問に思って!」 そう弁解し、途端二人は顔を見合わせ口元に笑みを張り付かせた。 「聞いたこと無いし、いないと思うけれど……」と大和。 「“どうこうというわけではない”ということは、何かそういう噂でもあるのか?」と武蔵。 浜風は促されるままに、そのあらましを答えたのだった。即ち、休暇の度に提督に纏わり付く乳香について、また余りに怪しい彼自 身の態度について。全てを聞き終えると、武蔵は鼻を鳴らしてから口を開いた。 「なんだ貴様、そんな事も知らんかったのか。いいか、甲斐性の欠片もなさそうなあの提督だがな、実はそれなりに色は知ってい……」 得意げな顔で滔々と語りだしたその口は、突如大和の手によって塞がれた。抗議の視線が送られるのも厭わず、彼女はすかさずに耳 打ちし、途端武蔵ははっとしたように抵抗をやめた。露骨極まる行為であったが、確かに浜風の耳に大和の囁き声は入らなかった。咳 払い一つ、体勢を立て直した武蔵はさも先ほどの発言が無かったかのように仕切りなおしたのだった。 「まぁ、なんだ。貴様も何れかは知るときも来るだろうぜ。そんな、大した話ではない」 これ以降、どれだけ追求をしても二人が口を割る事は無かった。 3 数日後の事である。提督への怒り、実態は嫉妬のそれであるが浜風は得体の知れないものだと認知しているその感情が一応の終息を 見せていたその日、太陽が精一杯下界を照らせども一向に気温の上がらない昼下がりの、ふとした時分にそれは起こった。 執務室、提督の傍らに立つ浜風は書類に傾注している彼の手元から、物々しい音がしたのを聞いた。木材がバキリとへし折られたよ うな、背筋が鳥肌立つ不快音と同時、提督の口からは 「あっ」 と情けない悲鳴が漏れていた。見ると彼の手にされていた万年筆、その先端は見事なまでにひしゃげられており、断面からは血が噴 出すかのようにインクが零れて出していた。 提督は空いている方の手を黒染めにしながら何とか書類を守ろうとしていた。浜風は事態が掴めるや、当然黙って見ているのみなら ず手近にあった布巾を投げつけた。以降、部屋の中には悲鳴と、書類の舞う紙の刷れる音だけが響き、しばらく静寂が戻る事はなかっ たのだった。 対応が早かった事もあって重要書類への被害は何とか未然に防がれた。すっかり取り替えられた執務机の青クロスを見、浜風は今ま で呼吸を忘れていたかのように長い長いため息をつく。結局、時間にして四十分は掛かっただろうか。床掃除をしていた提督もゆっく りと立ち上がり、ようやく仕事を再開できると思った矢先、しかし彼の行動はその予想が楽観であったと、そう突きつけるものであっ た。 「何を、しているんですか?」 呆然と言った言葉に、提督は短く 「直しに行かなきゃ」 と答えた。彼はラックに掛かっていた外套に袖を通すと、さもそれが当然といった様子で執務室の扉を開けた。 「待ってください!」 慌てて追いすがる浜風は、彼の腕を猛然と取るとそのまま前方に回りこんだ。しばらく頭の処理の追いついていなかった彼女は、彼 の手に先ほど壊れた万年筆が握られているのを見ると、怒りを露に彼を眇めた眼で睨みつけた。 「そういうのはまた今度にしてください! 別にボールペンでもサインはできるでしょう?」 「一度万年筆を知ってしまった身からすればね、ボールペンでサインを書くなんて書類に対する冒涜もいい所なんだよ。どうせ一時 間もあれば行って帰って来れるんだ」 「駄目です! 既にもうかなり時間が経っています! 今度にしてください!」 論争が進むにつれ寧ろ論争そのものが時間を浪費する魔物である事に気が付きはすれど、果たしてどちらも譲る事はなく、結局妥協の 案が挙がったのはそこからもう十分は経った後だった。 外出する役目は浜風が請け負った。提督は油性ボールペンで仕事を続行、本人がいなくなるよりかはロスも少ないだろうと思われた。 両者それぞれに不満が残り、だがそれ以外方法も見つからない。かくして、万年筆と提督直筆のメモを託された彼女は、慣れぬ鎮守府 外周の街を巡る事になったのだった。 準備を終えた後、鎮守府の正面玄関に辿り着いてから、浜風は託されたメモを開いた。そこには、贔屓にしているらしい文具屋まで の行き方と、万年筆のメーカーやら型番、カタカナと記号の羅列が所狭しと書かれてあった。更にこれは失念していた事でもあったの だが、メモに折り込まれるような形で幾枚かの紙幣が顔を覗かせ、良く一枚一枚弾いて見てみれば、全てに諭吉の胸像が描かれてあっ た。 総額で八万円である。ぎょっとし、背筋を言い知れぬ不安感が這い上がった。大金を持つ事に罪悪を感じるのは潔癖の共通する性質 なのだろうが、果たして彼女もその例に漏れてはいなかったのだ。一度戻ろうかとも考えたが、買い替えとなった時にはもしかしたら これぐらいの金額が必要なのかもしれないし、何より早く済ませたかったこともあって結局はそのまま戸をくぐった。 財布を持っていなかった彼女は、紙幣を外套のポケットに入れ、尚不安であったから手も一緒に突っ込んでおいた。思えば着任以来、 街を訪れた事は一度も無い。唯でさえ心落ち着かないのに、掌に触れる紙の感触は恐慌への誘いを止めなかった。辺りを必死に見渡し、 人と擦れ違う度左手を強張らせるその様子は、まるで強迫観念に囚われた精神病患者のようでもある。 目的の文具屋に辿り着いたのは、そんな状態のまま十五分も歩き続けた後であった。一時以上歩いたに等しいような疲労を顔に滲ま せながら、しかし兎に角ポケットの中の重りを無くしたかったから、彼女は息を整えることもせずにその店の戸を開けた。夕刻には陽 の光も入らなさそうな、狭い路地の寂れた店である。 最奥のガラスケースのカウンター越し、恐らく店主と思われる気の弱そうな老人が薄く開いた目を浜風へ向けた。短く切り揃えられ た白髪や皺だらけの顔が、重ねられた齢をやたらに主張していた。ただその佇まい、猫背にもならずしゃんと地に立つその姿だけは、 かつての清勝を僅かに香らせている。 「な、直してもらいたいものがあるのですけれど」 厭な緊張が喉を震わせ、突っかかった言葉は静かに空気を震わせた。浜風はそれだけを何とか言うと、もう続く言葉も考えられなく なり、ハンカチに包まれた万年筆とメモとをカウンターの上にそっと置いた。 老人が濁った瞳を、つぅと下へ滑らした。盛大にひしゃげた金のペン先を萎れた指が労わるように撫でる。ため息の後、かぶりを振 りながら彼は口を開いた。 「随分昔のメーカーのだ。もう倒産しちまって、部品も何もあったもんじゃないだろう……。断言はしねぇが、まぁ元通りにするの はまず無理だろうな」 筆記具の造詣に深くない浜風は、それを聞くとあの提督の頑なさに納得のいく思いをした。愛用の長年使った筆ならば、確かに仕事 を放り出してまで修理を急ごうともするだろう。 無理をしてまで直したくは無いと、出掛けの浜風に提督はそう言っていた。筆記具には安楽死こそが尊ばれるべきだと言う彼の言葉 を思い出し、彼女は何やら湧き出し始めた愛着を切り捨てて、言葉を紡ぎだしたのだった。 「それと似たようなのはありますか?」 老人は一つ唸ると、 「割かし高いぞ」 と呟いた。 「構いません。一応、お金はあります」 「そうか」 ペン先を撫でた指先が、今度はガラスケースの上を滑る。ダイヤの指輪が保管されるようにケースの中で展示されているペン達の、 真ん中あたりが指し示された。 「そこの三つから選ぶといいだろう。デザインで気に入ったのを言ってくれ」 値札に書かれた金額は、端から六万五千、七万、五万九千。彼女にとっては生まれて始めての、超高額の買い物だった。 悩むわけにはいかなかった。あれだけ時間が無いと吼えていたのだからと、生真面目からの後ろめたさが焦燥を現出させていた。 こういうのは高ければ高いだけいいのだろう。彼女はそう結論付けると、七万円の筆を遠慮がちに指差した。 「まいど。……彼氏のかい? このペンは」 老人の吊りあがった口角から、突然のからかいが零れだす。浜風は素っ頓狂な悲鳴を上げると、裏返った声で反発した。 「ちが、います! わ、私のです!」 「いやぁ、それは嘘だねぇ。あんた、文具に対する執着が無さそうだもんよ」 「本当です! 彼氏とか、そういうのじゃありません!」 けらけらとした笑い声は、くぐもりながら広がった。 最後まで彼は頑なに、恋人の存在を疑わなかった。店を出る際に掛けられた言葉は、 「彼氏によろしくな!」 であって、最早面倒くさくなっていた浜風はもう反論する事も無かったのだった。 右手に引っさげられた高級品。その重量が厭に重く感じられた。ビルの隙間から覗く晴天の元、こった腰をぐるりと回し大きく深呼 吸をする。体の節々、筋肉という筋肉が全て収縮しているようだった。 つと、鼻につく匂いがあった。薬品の甘い外殻をそのまま燻したような蠱惑の芳香。浜風は最初、一体何故自分がこの程度の仄かな 香りに意識を持っていかれるのか不思議でならなかった。別段、街を歩けば色々な匂いが、煙草であったりすれ違う人の香水であったり が、厭でも肺に吸い込まれてしまうはずであった。何故この匂いだけがと、そう思いを巡らせた数瞬の後、彼女の記憶の底からは溢れ 迸る場面があった。 休暇の度に、提督の服に纏わり付く乳香。脳裏にまざまざと蘇る、不愉快な彼の誤魔化し。 ほぼ反射の域で、彼女は視線を巡らせた。匂いの元、その根源を目で見て確かめようとしたのだった。何の望みも無く、後の事さえ 何も考えず、ただただ知りたいという欲求が眼を忙しなく動かし続けた。 一点、路地の果てに城を見つけた。暖色の外壁が狭い路地をぴったりと埋め、場違いなほど絢爛な屋根が静かに街を見下ろしている。 間違えようも無く、香りはその城から発せられている。 幾ら生粋の処女たる浜風とて、それが何を生業とする所なのか察せ無いほど初心でもなかった。絶望的な心境の中、何故これ程まで にショックを受けているのか、冷静に分析する自分もいた。 肺を埋める乳香の、そのおぞましさに身を震わせ、彼女は小走りに路地を行く。 執務室の戸を開け机に向かう提督の旋毛を見たとき、茫然自失であった心内に途端怒りの色が混じりだした。何も事情は知られてい ないと、本気でそう思っているらしい佇まいを見、嫌悪と侮蔑とが湧き出して眩暈を感じるほどにまで増長する。 震える声で、何時も通りの仕草と口調を演じながら、彼女は買ってきた品物を机上に置いた。二、三言葉を交わし、じっと彼を観察 しながらそれを口に出す機会を待った。 未だ、確信はあれど証拠は無い。極僅かな確立でも自身の勘違いという可能性がある以上、怒りを感じる必要はないはずなのだ。焦 燥に駆られながらも、浜風は都合のいい妄想を止めることはしなかった。提督にはきちんとした恋人がおり、その恋人の使っている香 がたまたまあの娼館と同じであるのだと。ましてや同じ街であるのだから、買う場所も限られてくるわけであって、別段珍しい事では ないはずだと。激情が顔を覗かせようとする度、そういった言い訳じみた文言が頭の中を駆け巡り、瀬戸際で波が引くのを何回も何回 も繰り返す。 コンバーターがインクを吸い上げ、銀のペン先が墨色に染まった。最後、外殻に覆われた万年筆が裏紙の上を滑り出し、吐き出され るインクの量が徐々に落ち着きを見せ始める。 仕事を再開しようと彼が書類の束に指を掛けた瞬間、浜風は口を開いた。鼓動が一段と早まり、胸の奥に燈った熱がじんと腹へ下っ たようだった。 「文具屋の路地の先に娼館がありますよね」 無機質な声音であった。ただ事実を確認する為だけの、情緒を暗に匂わせることもしない平坦な声に、提督は胃が縮み上がるのを感 じた。同時にこれから彼女が口にするであろう言葉、その話題が一体何なのかも容易に察することができて、自分勝手な悔悟が背肌を 一気に鳥肌立たせた。 どうして彼女がこの事を知っているのかだとか、そういった疑問は全て無為である。今の関係は確実に終端を迎え、そして今更引き 返す事もできない事を確信する。視線を逸らしながら、彼は震え声で答えた。 「ああ」 「行きましたね?」 彼女はすかさずに言葉を重ねた。先ほどと打って変わり、憤慨と蔑みが端々に迸っていた。 誤魔化す気は更々無かった提督であったが、しかし肯定の言葉は喉につっかえ、すぐには出てこなかった。それは決して恐れからくる ものではなく、今までの関係への名残惜しさが姑息な手段として口を開かせなかったのだ。 「……行った」 息を吐き、自分で生爪を剥がす心境でとうとうそう言い切ると、長い沈黙が重く空間に垂れかかった。語尾の残響も完全に消え失せ、 窓が風に揺られる物音だけが虚しく響き続けていた。 静寂が破られたのは、そこから一分は経った後だろうか。浜風の口から、 「最低」 ただその一単語が小さく零れ出た。本人さえ意識せぬまま、喉が独りでに震えたように吐き出された言葉だった。それを皮切りに不 気味に平坦だった心緒がようやく遅れて揺れ動き始め、疑問や怒りや、裏切られたような寂寥が頭をさぁっと侵蝕してゆく。 感情のままに口が開いた。自身に汚い語彙がこれ程まで備わっていたのかと、そう吃驚するほどの様々な罵声が提督へ無秩序に吐き 出された。 彼は手を止め唖の様に黙している。反発は許されず全てを聞く事が義務であると、そう思った故の態度であったのだが、当然彼女に 解されることは無かった。寧ろ、今彼の行動全てを厭悪に捕らえる浜風にとって、それは不貞腐れているから何も反応を返さないのだ と解釈されるものであったのだ。 湧き出す憎悪に際限は無かった。一見堅実で篤実と思われた提督が実はそれなりに遊ぶ人間であったと、本来ならそう一言で片付け られるはずであった。これ程までに烈しい憎しみの、その所以さえ分からない事が酷く不快で仕様がない。 感情の増長が留まることなく、とうとう足を動かした。浜風は提督の頬を叩こうと前へ一歩踏み出して、その段になりようやく自身 の怒りが大仰過ぎる事を自覚した。燃え上がる感情の片隅を、異様に冷えた客観が水を差すように過ぎ去った。今もし艤装が装備され ていたなら、迷わずに彼を撃ち殺しているであろう事。半ば、殺意とも呼べるほどのその烈しい感情は、誰が見ても行き過ぎと思うも のであった。そして、今までその感情に何も疑問を感じなかった事への恐怖が、突如として足元から湧き出したのだ。 木戸を荒々しく開けて、彼女は廊下へと飛び出してゆく。過ぎ去る空気が熱い頬を撫で、眩暈の揺らぎが体幹を崩した。ふら付きなが らも、彼女はひたすらに走り続ける。握った拳が彼の頬へ向かわなかった事へ、ひたすらの安堵を覚えていた。 4 自室の蒲団に顔を埋め、既に何刻過ぎ去ったのか。最初、ただ得体の知れない憎しみだけに支配された頭は、じわじわとその侵蝕が 退くと途端に寂寞を発し始めた。自身の口にした罵倒を思い返すとそれが到底許されざる罪に思われて、悔悟が胸の辺りをじくじくと 痛めつけていた。躁の後の鬱というに余りにその落差が激しく、彼女には情緒の安定しない自身の感情が何か不気味な代物に思えて仕 方が無かったのだ。 夕食の時間にも、彼女はここを動かなかった。ドアをノックされた回数は計三回。当然そのどれにも反応は返さなかった。今更外に 出る事への罪悪感による抵抗が、希薄になった時間感覚の中、心内を漠然と漂っている。 ようやく蒲団から這い出したのは二十三時過ぎ、更に立ち上がる事ができるようになるまでもう一時間掛かった。執務室へ赴こうと 思わせたその最大の要因は、ふと思い出された外套の右ポケットであった。 そこには万年筆を買うのに渡された紙幣の、余りの一枚が未だにあった。言い訳がないと動く事もままならない惰弱ぶりが厭に思え、 しかし動かないよりはましであったから、彼女は倦怠の極地の中でとうとう部屋を出たのであった。 寒々しい廊下の明かりが、じっと浜風を見つめていた。眠りに沈んだ鎮守府は寂寞感をより一層掻き立たせ、唯でさえ憂鬱な心中を どんどんと沈み込ませていく。 執務室の戸から漏れ出す光が、未だ彼が仕事中であることを示した。秘書不在の中での執務であるから、とても今日の分を完遂でき てはいないのだろう。そこに安堵を覚えながら、彼女は戸を開いたのだった。 執務机に座っていた提督は、木戸の軋む音がするなり顔をがばっと持ち上げた。既に風呂を終えた後なのか、何時もの軍服は壁に掛 かり、身に纏われているのは紺の甚平と半纏である。 無表情な彼女との視線の交錯、だが両者ともに口は開かずただ沈黙だけが鎮座した。片方でも初期に声を発せていたなら、どれだけ 楽であったのだろうか。沈黙が長引けば長引くほどに、心理の探り合いが膠着を強固にしていった。 状況打開の開口は、浜風が先であった。明確な目的を有していた故に、彼より幾らかは口が軽かったのだ。 「これを、返しにきました」 目を逸らし執務机に近づくと、彼女は握っていた紙幣を差し出した。体感として丸一分ほどの沈黙が、ようやく破られた事に吐息を 漏らしつつ彼は礼を言ってそれを受け取る。 唯一の話題が、この短いやり取りによって完全に終了した。提督は、彼女はすぐにでも反転してこの部屋を去るものだと思っていた のだが、実際には、その場に突っ立ったまま目を逸らし黙って突っ立ているだけである。わざわざこの一万円札を返しに来たというこ とは、つまり金輪際の関わりを絶つという意思表示だと思われた。嫌悪し二度と口を聞きたくも無いのに、なまじ真面目で律儀だから 無理してここに訪れたのだと、本気でそう考えていたからこそ今の彼女の姿は不可解な事この上なかったのだ。 それは気まずさからの逃避であるのか、彼は机の上の書類を一通り片付け始めた。どうせもう寝る予定でもあったのである。何時も の習慣を凝視される事に慣れぬむず痒さを覚えながらひたすらに机上を綺麗にしてゆくと、ものの二分が過ぎる頃には紙類は完全に消え ていた。 浜風の心中を、焦燥と不安が駆け巡っていた。これで終わりになっていいはずか無いという確信があり、しかしかと言ってこれ以上 何を話せばいいのか皆目検討もつかなかった。提督は許してくれるだろうかと顔を伺い、だが本来許すかどうか決める立場は自身である はずで、状況と感情とがあべこべにひたすら混乱をもたらしている。 「すまなかった」 顔を上げると、席を立った提督が近くに寄っていた。彼女は、それが何に対する謝罪であるかを判別しかねていたし、彼自身もよく 分かってはいなかった。何と反応すべきか悩むうちに時間が余りに過ぎ去って、結局は無視をしたような形になった。そしてそれは、 提督の致命的誤解を完璧に補強する根拠になってしまったのだった。 「君はまだ、第一艦隊で闘いたいか?」 唐突な疑問に、浜風は反射的に、 「は、はい」 と答えた。素っ頓狂な、裏返った声音の返事を聞き思わず苦笑をしてしまう。その瞳に写ったのは悲哀なのか、彼は続けて口を開く。 「便宜上として、一応は今のままでいさせてくれ。第一艦隊の旗艦として従来どおりに戦闘に参加してもらう。ただ、秘書仕事の方 には、もう参加してくれなくても構わない。明日からは別の艦娘を宛がおうと思っている」 言葉の趣旨を理解するには、彼女は彼の考えや誤解を認識できていなかった。だから、後半の文言を正しい意図で受け取る事もでき ず、絶望的な心境はその暗がりを一気に広めていた。 「……どういう、ことですか」 「すまないとは本当に思っているんだ。君がその、なんていうか。私に対して失意とかそういうのを感じたなら申し訳ないし、だか ら別段君が嫌だと思うことはしたくないというか。尊重したい、と思った」 「だからって、何で私に秘書を辞めろって言うんですか!? 私がそんなこと何時言ったんですか!」 怒りと形容するには、焦りと寂寥が余りに大きすぎた。提督の表情を覗き見れば、そこに浮かぶのは疑問である。だからこれがあて つけではなくて、本心からの気遣いである事は察する事ができて、故に自身の望みとは離れたところへ行こうとする現実を引き止める 術が分からなかったのだ。 「君は、生真面目だから」 切り出された言葉が、生真面目という一単語が胸へ刃を突き立てる。 「生真面目だから、多分、本心で嫌だと思っていても秘書をしようとするだろう。義務に忠実に公私を分けようとするだろうから… …でも、私の仕事は艦娘が幸せにあるようにすることだ。無理はしないでいいんだって、そう言いたい」 幾ら言葉を重ねてもこの誤解を解く事はできないと、彼女は荒ぶ感情の中で思った。彼へ言ってしまった罵倒の数々を前に、本当は 嫌いじゃないと口にするには余りに都合がいいように思われたのだ。もし、本気で説得をしたならば充分彼の持っている認識を改めさ せる事ができたのに、それを口にする権利が無いという思い込みが、機会を永遠に奪ったのである。 どうしたらいいのか、考えを早急に纏めなくてはならないのに、荒立つ心情が集中を阻害していた。早く早くと焦る気持ちだけが前 に出て一向に具体的な文言が浮かばなかった。 「万年筆、ありがとう。書き易かったよ」 そう言うと、とうとう提督は踵を返し、浜風の横を通り過ぎた。 振り返り、すかさず彼の手を掴む。ただまだ行かせたくない、このまま行かせてはならないという思いが反射的に腕を伸ばした。肌 と肌が触れあい、少し冷えた体温を感じ、彼女の頭に閃いたことは正気の発想ではなかった。 自身がどれだけ頭のおかしい事をしようとしているのか、きちんとした憶えはあった。だがそういった事よりも、もっと重視される べきことなのだという決め付けが、理性や正常な思考を悉く破壊していたのだった。 浜風はふと膝を床につけたかと思うと、寝巻き甚平の下に手を掛けて、半ば引きちぎるようにしてそれを下ろした。尋常な心理状態 では無い事を自覚しながら、しかし彼女は汚れこそがこの提督の側にいる事の一条件に思えてならなかったのだ。 突然の彼女の狂態に提督は狼狽した。理解が追いつかず、ただ後ろめたさと状況の背徳が口を開く事さえままならない硬直を引き起 こさせた。 下着から陰茎が引きずり出されたのを見て、ようやく彼は我に帰ることができた。 「おい! 何をする!」 反射的に腕を取り怒鳴りつけると、彼女の背は一瞬震えた。脅え怯んだその瞳には、だがすぐに意思の光が照り戻り、凄みは幾倍に も増大しながら尚言葉は発されない。 ぐいと頭を伸ばしたかと思うと、浜風は獣が肉を喰らうように萎えた彼のを口に含んだのだった。生々しい唇の圧や歯のぬめった鋭 利さを感じ、反射的に腕を引っ張っても一向彼女は動じなかった。必死に頭を振りながら舌を遮二無二動かし続け、吐息の最中には唾 液がぼとぼとと零れ落ちる。そのほとんどは彼女の豊満な胸元を汚していた。身体が前後する度に、服と下着に圧迫された乳房は小さ く僅かに揺れていて、濡れた跡は歪に光を反射する。 のぼせたかのような頭の熱が、抵抗や理性というものを悉く霧散させた。彼女は夢のような半ば現実感の無い状態の中にあったから、 嫌悪して止まなかったはずの行為を今しているという事に疑問も何も感じなかったのである。 躊躇われた方法ではあったが、提督は彼女の頭を掴むと力を込めて押し退けようとした。だが、今度は自由になった両腕が腰にきつく 巻きつけられ、寧ろ体勢的にそこまで力は入らなかったからより引き離すのが困難になってしまった。舌が竿の裏をなぞり、尾てい骨 からむず痒さが競り上がる。口腔の感触、その冷たさや滑りが体のあちこちの筋肉を緩めさせ、最早意識は自身のそれに向かわざるを 得なくなった。 口の中、次第に大きくなってゆく彼を感じ、浜風はより一層烈しく頭を振る。だが稚拙の極みにある彼女の口淫が快楽だけを生むのか といえば、当然そんなことは無かったのであった。 時折前歯が、亀頭の出っ張りを引っかいた。鋭い痛みが体の奥を突き抜け、しかしすぐに舌が慰撫するから悲鳴を上げるほどでは無い。 提督がマゾの気質を持っていたならむしろこれは射精を促す強力なペッティングでもあったのだろうが、現実には快楽を後退させる錯 謬の愛撫に他ならなかった。どれだけ唇が扱こうとも、一向に睾丸が熱を持つ事は無い。 なんとなしにそれを察したのだろう。浜風はふと動きを止めたかと思うと、じわじわと喉の奥にまで陰茎を挿し込み始めたのだった。 「よせ!」 ぎょっとした提督は本気で彼女を離そうとしたが、狭い喉口へ陰茎の先が沈み込むと、その生々しい柔らかさにまったく力が入らな くなる。抵抗に素直に従う事ができたなら浜風とて楽ではあったのだろうが、意固地に凝り固まった汚れなくてはならないという義務 感が、決して自身を赦しはしなかったのだ。えずきそうになるのを堪えながら喉奥に何度も何度も迎え入れ、ひくつく動きを感じると それが愉悦なのである。拷問じみた苦しみに涙が勝手に競り上がりだし、気管の入り口が痛むほど咽び返っても、決して口から彼を離 すことはしなかった。 懸命な奉仕に、だが直ぐに限界は来た。もう何度目かも分からない咳き込みが、しかしこれまでと違っていた事に当人も気が付いて はいたのだった。ただ矜持が体の苦痛を無視しようとした。意思の力で封じ込める事ができると思われたそれは、膨大な力でもってと うとう浜風を跪かせた。 逆流した胃液が、盛大に床を穢していった。吐瀉物は彼の靴にまで飛び散り、それが視界に入るや罪悪感が腹底から音を立てて湧き出 した。この程度の事もできないのかと自嘲の思いが一度巡ると、情けなさや不安感、寂寞が嗚咽や涙となって零れ出る。胸の熱さや胃 の痛みより、よっぽどそれが辛かった。 ひゅるひゅると喘ぎ出される吐息の痛ましさに、提督の心内にも自責の念が広がった。自身の行動が悉く彼女を傷つけた事を、今更 悔悟して何になるのか。朴念仁の、愚鈍で無力の愚図がこれを引き起こしたと、ただその事実が残るのみである。 「すまない」 背を摩り、そう口にした。言葉が耳に入ると、彼女の嗚咽はより一層烈しくなった。混沌とした感情の波が両者の間を埋め尽くし、 深夜の執務室は静かにそれを見つめている。 「秘書でいたいんだったら、何時まででもいていいから」 しばらくの間、浜風は立ち上がる事もままならなかった。この彼の台詞をきちんと理解できたのも、もうずっと後のことである。喜 も哀もミキサーによって混ぜこぜにされたように、混乱が感情を支配した。 結局はその日、浜風は提督の部屋に寝た。蒲団の匂い、あの香ではない彼自身の匂いに包まれながら、混濁した意識は途端に霧散し た。 提督とて抵抗が無かったわけでもないが、しかしあそこまで疲弊した彼女を抱え艦娘の宿舎まで辿り着ける保証も無かったのだった。 浜風にはもう意思を伝えるような力も無く、しかしすぐに寝付いたということは拒絶されているのでもないのだろう。 安堵の寝顔に負い目を感じ、提督は部屋をあとにする。長い夜にずっと悔いを抱き続け、明けない空を眺め続けた。 5 「やっぱり、ここに来ては駄目だったかな」 事のあらましの説明を、彼はそう締めくくった。下半身の気だるさがそのまま口に顕れたような、覇気の無い声音だった。 娼婦の反応たるや、予想のそれと寸分違わない。 「あなた、なんでここに来たのよ!」 自身の立場をかなぐり捨てた、一人の女としての反応だった。 彼とて、この反応を待ち望んでいたのかもしれない。彼女からきちんとここには来るなと、そう宣言されてようやく浜風と向き合え る気がしたのだった。ただ、金を払い事を致した後にそう格好つけても、何も偉くない事は自覚はしていた。 「ほら、言うじゃない? 一盗二婢三妾四妓五妻……」 当人としては冗談で言った台詞であった。だが娼婦の目には途端怒りが燈り、 「ほんとに最低!」 その言と同時に平手が飛んできた。 彼女は部屋を出て行った。あくまで商いとしての関係に終始するのではなく、個人として罵倒してくれた事に心からの歓喜があった。 提督は服を手早く着ると、もう二度とは来ないであろうその部屋を後にした。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/321.html
84 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 05 22.30 ID 1b33W5PM 曙「か、改装とかいって、私の裸が見たいだけなんでしょっ、このクソ提督!」 開口一番に曙は私に食って掛かる。 いつもの光景だが、今日はいつもとは少し違う。 先ほど自前で特別な護符を拵えたのだ。 特殊な術式によって相手の心が読めるというなんとも垂涎モノ・・・もとい、危険な代物である。 しかしやはりと言うべきか、使用条件がかなり限定的で、心を通わせていない者の心はあまりよく聞き取れない。 逆に言うとはっきり聞こえれば聞こえるほどお互いが信頼し合っている証拠となる。 そもそも何故このような護符を作ったかというと、深海棲艦の心を探るためなのだが、試験段階で上記のような致命的な欠点が見つかったために計画は白紙に戻っている。 改良も試みられたが、研究の結果それが不可能であることが分かった。 心のつながりのない者の心うちを知るには、精神破壊が必要だったのだ。 敵の心を知るためにその心を壊しては意味がない。 かといって信頼し合う仲になることは不可能だし、そんな仲になっていたらこんな戦闘は必要ないわけだ。 辛うじて読み取れたことは、「寒い、冷たい」という感情と強い憎しみだけだった。 この護符は凍結という決定がなされたが、当時の研究書は見ていたため呪印などすべて覚えている。 話がだいぶ脱線したが、つまり、いつも突っかかってくる曙は、果たして内心はどうなのか? と気になったという好奇心の元、この護符を発動させるに至ったというわけだ。 きっかけは曙のこの一言だった。 曙「気に入らないなら、外せば?」 そういう彼女の声は震え声だった。 あの時彼女はどんな気持ちだったのだろうか。 彼女に戦力外通知をした覚えはないし、彼女のミスを責めたことも一度もないのだが、知らず知らずに彼女を追い詰めていたのだろうか。 当然史実での彼女の不遇は承知している。 ふと、今の彼女の心が知りたくなった。 そして冒頭のセリフを言った後の声ははっきりとこう聞こえた。 曙「(ありがとってホントはいいたんだけどなぁ・・・)」 提督「ふむ・・・」 まさかここまではっきり聞こえるとは思わなかった。 かつて親に試した時でさえここまではっきりとは聞こえなかったように思う。 提督「そうか・・・。曙の今後の活躍に期待しているぞ。・・・」 曙「ふんっ!」 曙「(うれしい・・・///。絶対活躍してみせるわ!見てなさい!クソ提督♪)」 曙「私に十分感謝しなさい、このクソ提督♪」 曙「(すごいでしょ!?私がんばったよ!この勝利は敬愛する貴方へ捧げるわ!)」 先の作戦でMVPをかっさらった曙は、提督執務室のドアをドカンと開けると 頬を薄らと赤くさせて高らかに宣言した。 瞳はキラキラと輝き、こんなにはつらつとした彼女を見たのは初めてかもしれなかった。 ここ数日彼女と接してみて分かったことがある。 どうやら彼女は俗にいうツンデレのようだ、ということだ。 改修をすればするほど悪態をつくのだが、それは素直になれない彼女の照れ隠しだ。 髪が長くて維持が大変そうなのにずいぶんと綺麗だなと褒めたときなどは セクハラだと怒っていたが、心ではものすごく喜んでいた。 後日、さらに髪の美しさに磨きがかかり、いい香りまでするほどになっていた。 提督「じぃ~(やはり曙の髪は綺麗だなぁ・・・)」 日の光に照らされて艶やかな髪に視線を這わせる。 曙「何よ?こっち見んな!このクソ提督!」 曙「(見られると恥ずかしいのよ、ばかぁっ)」 提督「ふむ・・・」 ムクムクといたずら心が芽生え、曙のそばまで歩み寄る。 曙「何?何か用?」 曙「(近っ、近い近い!)」 そっぽを向いて不貞腐れた態度をとる曙だが、 何処となくソワソワしている。 提督「曙、MVPよくやってくれた。感謝している」なでなで 曙「なっ!?何で触るの!うざいったら!・・・・・・・・もう」 曙「(あ・・・うれしい!ホントはもっと撫でて欲しいけどこれ恥ずっ・・・///)」 さらに追い打ちをかけてみる。 提督「曙の髪はサラサラで心地よいな。心が落ち着くよ」なでなで 曙「し、仕方ないわね。ちょっとだけ・・・よ?」 提督「ありがとな・・・曙」なでなで 思わぬところで素直になった曙が意外だったが、 日頃戦いに出ている彼女を労わる気持ちでさらに撫でる。 曙「///」ムスー 曙「(ちょっとくらい・・・いい・・よね///)」 しばらく撫でていたのだが、居心地が悪いのかモゾモゾしだした曙の 上目づかいな視線と目が合わさる。 曙「あ・・・・」 曙「(提督の顔・・・近い。・・・・キス・・・とか。ね・・)」キュン 提督「・・・」なでなで・・・ぴた 顔を真っ赤にしてこちらを見上げる曙と、そのまっすぐな心の声に ドキっとして撫でる手を止めてしまった。 どうやらこの護符の効果は相手の感情に引っ張られるらしい。 そっと手を曙の頬に添える。 曙「ん・・・・」 目を閉じた曙のまつ毛は、小刻みに震えている。 綺麗なピンク色をした唇はキュッと閉じられ、 まるで侵入者を拒むかのようだ。 彼女の髪からふわっと心地よい香りが鼻をくすぐる。 提督「曙・・・・」 そっと腰に手を回して彼女を抱き寄せる。 少し前にかがんで彼女の唇に吸い寄せられるように顔を・・・。 バーーーン!! 島風「ていとくーーー ー!かけっこしよーーーー?」 曙・提督「!!」 突然やってきた島風に驚いた曙はパチっと目を開ける。 後数センチまでの距離だったため、見つめ合う格好になった。 曙「あ、あ、あ・・・」 どんどん涙目になっていく曙にどうしたものか、突然のことに頭が回らない。 島風「どうしたの?見つめ合っちゃって」 曙「わぁっ」ドン 提督「うわっとと」ぐいーーっ 曙・島風「きゃぁっ」どたんばたん 突然突き飛ばされたためバランスを崩し、咄嗟に伸ばした手で島風と曙を巻き込んで倒れ込んだ。 島風「痛たたた・・・。ていとくひどいよ!もう・・・。あ・・・!」 曙「んん・・ん・・・」 一緒に倒れ込んだ時に、幸か不幸か曙と先ほどの続きをすることとなった。 曙「んん!?んー!んーーっ!!・・・んはっ・・・はぁはぁ」 島風「ごめんね、上に乗っかっちゃってた」 曙「ッッ」 ガバっと起き上がると、曙は一目散に走り去っていってしまった。 提督「曙ッ!待っ・・・」 島風「おぅっ」ドターン 慌てて追いかけようと立ち上がったものの、島風の服のボタンと絡まってしまい島風を押し倒す格好になってしまう。 島風「ん・・・」 提督「・・・!!」 思い切り押し倒して口づけしてしまっていた。 島風「(あ・・・私、てーとくとキス・・・してる・・・)」 島風「んちゅっ・・てーとく・・・んふっ・・・」 島風「(てーとく・・・大好きだよ!)」 ドック帰りとはいえ戦闘後で高揚している島風は、切り替えが早く高まる気持ちを抑えきれずにしがみついてきた。(だいしゅきホールド) 護符の効果により島風の想いも強烈に流れ込んでくる。 さっき倒れた拍子に、右手は島風の胸の上にあり、ささやかながらもやわらかい弾力が指を押し上げてくる。 提督「島風・・・」 やさしく髪を梳いてやり、気持ちを落ち着かせてやる。 島風の目を覗き込み、愛おしむまなざしで語り掛ける。 提督「島風、俺もお前が好きだぞ。」 島風「てーとく・・・・」 すでに赤くなっていた島風の顔が、ポッとさらに赤くなる。 しかしそれは嬉しさ半分悔しさ半分である。 島風「・・・てーとく、ずるーい」 ぶぅ、と膨れる島風は、言葉にせずともこちらの心を読み取っていた。 おでこにキスをして島風から離れる。 島風「ぶーぶー」 島風「(絶対一番好きって言わせて見せるんだから!)」 不服そうな島風だったが内心は幸せいっぱい、残念がちょっとという感じだ。 口づけした唇をなぞり、キスされたおでこを触って見上げながら、にひひっと幸せが漏れていた。 島風「てーとくのことあきらめないんだからねっ!」 そう言い放ち、島風はパッと立ち上がったかと思うとあっという間に走り去ってしまった。 提督「・・・・やれやれ、どうしたものか」 あれはいずれ食われるな・・・(自分が)。覚悟をしておいた方がいいかもしれない。 そう思う提督だった。 島風の過去を視たときからどうも島風に懐かれてしまったのだが、まさかここまでの想いに膨れ上がっていようとは思いもしなかった。 護符がなくとも艦娘たちから好意の視線を感じていたが、やはりと言うべきか、いざ心を見てみるとこれでもかと情愛の念があふれていた。 嫌われていると思っていた曙ですらアレだったのだ。 他の艦も推して知るべし。 この護符について一つ分かったことがある。 心を通わせている者でも相手の心が読めない場合がある。 島風からは好きという感情が強すぎて他の心の声がかき消されていた。 どうやら伝えたいという気持ちが重要であるらしい。 ならば深海棲艦の伝えたかった事とはいったい何だったのだろうか・・・。 寒いといっていた彼女たちは何を想い、願っているのだろう。 彼女たちの魂を救いたいと、切に願わずにはいられなかった。 +後書き 90 :名無しさん@ピンキー:2014/03/07(金) 01 13 40.56 ID 1b33W5PM 以上です。 ケッコンカッコカリがものすごい重婚状態のためこのような流れににに・・・ いつかの島風の続き物だけど何故か曙の話になった。 そして我が艦隊の曙は遠征組でそれほど活躍してないんだけど キラ付けのたびにつついてたらあの震え声が気になってSSにしてみた。 ちなみに我が鎮守府の秘書官は如月で、大井っちや北上さんなどなど何名か愛人枠にいます。 いずれ登場させたいなぁ
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/245.html
343 :6-632:2014/02/07(金) 02 09 48.35 ID 3RjczXZM 「どういうことだ、クソじじいども」 俺は激怒した。艦娘の生存率ばかり気にしてまともな戦果が少ない俺の艦に “アレ”の装備を強制執行しようとしているらしい 『あの武器だけは、やっぱり載せないで』 『あぁ、絶対載せないさ。お前の頼みだからな』 恋人の、北上の願いを踏みにじる訳にはいかない。 俺は咄嗟に改装工廠へ走って行った 「やめてよ!やめて!!こんなの載せていいなんて言ってない!」 工廠に着くと北上が絶叫しながら“アレ”の装備を拒んでいる 「提督も、載せないって約束してくれたのに!なんでなのさ!」 どんなに北上が叫ぼうとも聞く耳を持たない工廠担当のクソじじい共 「俺は、北上への“アレ”の搭載は認めていないはずだが?」 工廠担当に問う。まぁ、答えは“予想通り”のものだったが・・・。 「大本営の決定です。少将の御意向は関係ありませぬ。少将が止めよと厳命されましても、大本営の命である以上実行します」 そう良いまるで卑猥な笑みを浮かべると、嫌がる北上に無理やり“アレ”を取り付ける アレを取り付けらたショックからか俺が止められなかったショックからか 北上はただポロポロと涙を流すだけだった。 俺は耐えられなかった だから、護身用の銃で工廠のクソじじいをぶち抜いてしまった。 「守も攻めるも黒鐡の浮かべる城ぞ頼みなる・・・」 ここに来てから何日立つのだろう。俺は何回“行進曲 軍艦”を口ずさんだんだろう あの日、工廠のじじいをぶち抜いたその後、憲兵にひっ捕らえられ、投獄された 当たり前と言えば当たり前の事ではあるのであるが 俺が投獄されてから、ずっと北上は俺の牢の前から動こうとしない 「北上・・・。いいかげん新しい司令の命令を聞いて出撃しろ。出ないとお前も」 俺は北上を諭す。新しい司令の命令無視を繰り返し俺の牢の前にずっといる いくら艦娘とて、命令無視と敵前逃亡で軍法会議にかけられれば処刑は避けられるであろう それは嫌だ。絶対に北上には生きていてほしい。 「アタシ、提督の命令じゃないと戦場に出たくない。新しい提督の命令無視して牢屋にいれられるなら、それで良い」 不安なのか、寂しいのか、それともこの牢が寒いからなのか北上が震えている 俺は毛布を手を出すのがやっとの大きさの鉄格子から北上に手渡した 「ありがとね、寒かったんだ・・・。でも寒いだけじゃないよ?」 北上の目にどんどん涙が浮かんでくる 「好きなのに、大好きなのに提督と手もつなげない、キスもできない、エッチだって」 北上が絞り出すように言う 「俺だって・・・」 そう言い、鉄格子から手を出し指を絡める。 「ほら、手ぐらいつなげるだろ?だから」 北上は力なくうなづいた。 そして、俺の牢の前から姿を消した 北上は毎日俺の牢まで来て色々な話をしてくれる 新しい提督は、艦娘の生存率よりも戦果を優先して皆嫌っていること 第六駆逐隊が疲弊していても、中破レベルの怪我をしていても進撃させること 北上いわく、新しい提督は駆逐艦は消耗品としてしか見ていないかもとの事 そして、そんな姿をみて心配してしまうからウザイとのことだった そんなたわいない会話をしているときだった 「ねぇ、提督・・・。シたい」 突然北上が行ってきた。 「あのさ、エッチはできなくてもこの鉄格子の大きさなら口ではできるでしょ」 そう言い、指を絡めてきた。 俺も投獄されてから満足にオナニーすらできず、かなり溜まっていた 俺は反り返った性器を鉄格子から北上に向けて突き出した 北上の口が俺のペニスを飲んでいく 亀頭を丁寧になめまわし、裏筋を刺激するように咥えながら舌を使ってくる 口内の温度と絶妙な舌技で、溜まりにたまった俺はあっけなく北上の口内へ 大量に射精してしまった。 「提督・・・。ごめんね」 そういうと、北上は突然下半身を露出させ果ててもなお大きさを保つ俺のペニスを 自分の性器にあてがった。 「アタシも欲しいよ。提督の、だから」 そう言いつつ、北上の性器は俺のペニスを飲み込んでいく。 しかし、鉄格子のせいで奥まで、根元まで入れることはできない。 sれでも俺は北上を満足させたい一心で、気持ちよくなりたい一心で小刻みに腰を動かした 牢獄に似合わない水音と北上の甘い声 「提督・・。奥まで欲しい、無理なのは解ってる。でも奥まで」 「ごめん、俺も北上の奥まで入れたい。もっと深く愛したいでも」 北上と俺の間をふさぐ鉄格子が憎い そんな状態でも「大好きだよ提督」と何回も何十回も言ってくれる北上に愛しさを感じつつ 二回目の射精を迎えようとしていた 「北上、俺」 「うん、提督のちょうだい、アタシも一緒に」 その言葉を聞き北上の中に今まで以上に射精した。 行為を終え服を整えた後に普通の恋人同士ならキスをするのが定番だろうが 鉄格子が有るがゆえに、互いの指を絡ませた 北上と数日振りに交わった夜の事だった 『司令官・・・。もっと私を頼ってくれてもいいのよ』 「ん?なんだ雷まで来てくれたのか」 『そんなんじゃ、ダメよ!』 「まぁ、俺がやったことだしな。良くて一生このまま、悪くても銃殺だろ?」 たわいない会話に思えた。唯一違和感を感じた所は・・・・。 会話していたはずの雷が帰る時に、光に包まれながら消えて行ったことだ 嫌な予感はしていた 次の日、俺の牢の前に現れた北上の表情はいつもにまして硬かった 「あの、新しい提督さやっぱり駆逐艦の事何とも思ってないんだよね」 第一声がそれだった 「雷が沈んだのか?」 北上は驚いた表情でなぜ知っているのかと尋ねた 「実はあの後な、雷が俺の牢まで来てな。最後に歩いて帰らずにスーっと消えちまったんだ」 夢枕に立ったと表現しても良いだろう。 北上情報によれは、俺の代わりの提督は功を焦るばかり、複数の駆逐艦の傷を放置 そのまま進撃させそのまま沈めたそうだ それに金剛姉妹、加賀、北上をはじめとする軽巡・雷巡が不信感と怒りを露わにしていると の事だった。 無論命令違反も そこがターニングポイントになってしまった 翌々日俺の軍法会議 裁判は5分もかからず俺の死刑が確定した その日がやってきてしまった 俺は目に白布を掛けられ、椅子に座らされ、手足を縛られている 海軍ご自慢の銃殺刑という訳だ 執行役が到着するが様子がおかしい 「アタシがなんで提督を殺さなきゃいけないのさ!」 軍上層部は“命令違反・軍規違反”を繰り返す元俺の艦娘達への見せしめのためにも 北上を執行人に指名したのだ どこまで腐敗してやがるのか底が見えない状態だ 「北上!俺の最期の命令だ!この命令に従え!絶対だ」 俺は声を張り上げた、 北上の声にならない叫び、これが最期に聞いた「音」だった *************************************************************** アタシは恋人を殺した。 もう何もかもわからない どうして“アレ”を載せておけばよかったの? 何でアタシなの? もう嫌、なんでアタシばっかり ********************************************************** アタシはろくに入渠もせずにこの作戦に従事している 大好きだった人の後任の提督はまさにクソ提督と言う奴で本当にウザイ アタシは満身創痍。もう2・3発食らったら沈みそう いや、本当は沈みたいから入渠していなんだ。 秘密裡にイムヤにお願いしてあるんだ。アタシが沈んだら取り合えず陸まで運んでって 木曾にお願いしてあるんだイムヤがアタシを陸に上げたらあの人と一緒のところに埋めて欲しいって 「帰投せよ、帰投せよ」 何か聞こえたけど、気にしない。さて前進しますか あ、ヤバいフラグシップの戦艦が居る。 直撃コースだこれ・・・・。 ねぇ、あっちの世界でも会えるよね・・・。アタシの大好きな提督 **************************************************************** 木曾は死者を冒涜するのは嫌いだがと前置きをしつつ、 元上司である提督の墓を掘り起こした。もう既に数か月が経過しており 亡骸は骨だけになってしまっているが、その骨に寄り添うように北上を安置した 最期の手向けと言わんばかりに、冷たくなった北上の手をそっと骨の上に置いた 見間違えかもしれないが、一瞬北上が微笑んだように見えた “あの世”で二人が再会し、仲睦まじく永遠の愛を誓えることを祈り 土をかぶせた +後書き 348 :6-632:2014/02/07(金) 03 12 30.55 ID 3RjczXZM 以上胸糞悪い作品おわり ちなみに、雷の描写は実際に駆逐艦雷が轟沈した夜工藤艦長の元に 部下だった乗組員が枕元に立ち、艦長!艦長!と言いながら消えて行った話を ベースにしてみました 次は誰か孕ませるかまたシリアス系にするか思考中です 349 :名無しさん@ピンキー:2014/02/07(金) 03 15 07.90 ID BUVFWGbX 343 北上がアレのせたくないのは命の重さを知ってるからなのに 提督があっさりと殺しちゃだめだよね 案の定BADENDまっしぐら・・・ もしその状況で最善の手があったとしたら 後任が酷い作戦実行するような息のかかった奴が送られてくるの予想できるんだし 提督は退任させられないように適度に戦果挙げつつ 最小限の犠牲になるようにするしかなさそうだな たとえ最小限とはいえ犠牲を出す作戦で艦娘たちに嫌われたとしても 自分も紳士スレに北上にアレ強引に乗せる小ネタ書いたんだが結末が違いすぎてびっくりしたw
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/124.html
前回の話 3-1-A 太陽は頂点を少し過ぎていた。 南洋の陽光はギラギラと容赦なく照り付ける。 暑い日曜日の昼下がり。 今日は艦隊の休養日だ。 かつて、月月火水木金金と言われはしていた。 現実には人と同じように艦にもオーバーワークは禁物だということは 理解されていたらしく、平時の日曜日は休養日に充てられていた。 無論、今は戦時であるが艦娘達に疲労が溜まらない様に提督は即応待機の部隊を除いて、 休養日を設けていた。 だが流石にこの太陽の下に出歩く艦娘は少ない。 全館に戦艦大和並みに冷房設備を施している鎮守府内で艦娘達は思い思いの休みを 満喫している。 昼食後の厨房には幾人かの艦娘達が集まって料理をしている。 きゃいきゃいとかしましい談笑が聞こえる中、セミロングボブの艦娘が自信無げに オーブンを眺めている。 ピンクのフリルで飾られたエプロンは粉と恐らくはこねた小麦粉が付着して乾いた と思しきゲル状の物体で彩られている。 チーン、というタイマーの音に少しビクつきながらもおずおずとオーブンの扉を 開けて天板を取り出す。 天板にはほかほかと湯気を立てる黄褐色の焼き菓子が整然と並んでいる。 「あら、羽黒ちゃん上手にできたじゃない」 和装に割烹着の艦娘が羽黒に笑いかける。 艦隊の母、軽空母 鳳翔 だ。 「は、はい。あの、ありがとうございます」 羽黒がぺこりと頭を下げる。 ラードを練って作ったサクサクのクッキーをバスケットに取りながら羽黒は、 はにかんだ笑顔を浮かべる。 第五戦隊を構成する妙高型4姉妹は連日出撃を繰り返しており、即応待機からも外されて ここ数日は完全な非番である。 那智と足柄に至ってはドッグの空きに提督に無理矢理押し込められるようにして入渠中だ。 そうでもしないと大破するまで出撃を繰り返しかねない、とため息まじりに提督が 苦笑いするのを羽黒は見ていた。 3-1-B 『提督は優しいのですね』 とドッグ入りする二人を見送りながら榛名が提督の傍らで微笑んでいたのが羨ましかった。 -私も提督の傍にいたい。できれば、手、なんかつないだり…… だが、自分の引っ込み思案な性格を熟知していた彼女にはそれは難問だった。 悩みに悩んだ挙句、彼女は艦隊の母、鳳翔に相談を持ち掛けた。 いつもなら姉たちに相談をするところだ。 だが、提督と同衾しているところを目撃してしまってからは姉たちと提督の話をするのが どうも気が引ける。 二人の姉、那智と足柄に至っては、酒が入ると体位がどうの口での奉仕がどうのと 大和撫子にあるまじきはしたない猥談を長女の妙高に注意される始末。 その妙高も提督とは関係を持っているのは周知の事実であり、羽黒からすると余裕すら 感じられる。 そこで、艦隊でも古参であり、提督の事も良く知っている鳳翔に駆けこんだのだ。 話を聞いた鳳翔は穏やかな笑顔で話を聞き終わると 『やはり、殿方を落とすのは胃袋からね』 と言って初心者でも簡単にできるクッキーの焼き方を付きっきりで教えてくれたのだ。 『提督はお酒を飲まれるし、初心者の羽黒ちゃんでも作れる甘さ控えめの中華クッキーに しましょう』 こうして、今、半日かけた羽黒の苦心がまず一つ報われようとしていた。 「……喜んでくれるかな」 幸せそうな羽黒の笑顔を横からニヤリと半月に笑う顔が覗き込んだ。 「そうだねぇ、甘さ控えめは呑ん兵衛の提督向きだからね~」 「えっ、その、あの、隼鷹さん」 元が客船だからか、意外にも料理が得意な隼鷹がからかう。 この軽空母は軟派なふりをして意外と洞察力に定評がある。 「ち、ちち、ち、ち、違いますから、私、その、ごめんなさい!」 「ひゃっはー、図星かな~」 顔を真っ赤にして羽黒はバスケットをテーブルに置くと速力一杯で厨房を飛び出していった。 「ちょっと隼鷹、意地が悪いわよ」 「たはは、めんごめんご。にしても素直で可愛いねぇ」 陽気な軽空母は姉妹の飛鷹に窘められても、あまり反省した様子は無かった。 「そうね、可愛いわね」 そっと後片付けを始めながら鳳翔は柔らかく笑った。 「でも余程恥ずかしかったのね、クッキー忘れてるわ。あの娘」 鳳翔の一言で軽空母姉妹は顔を見合わせて同じように幸せな笑いを浮かべた。 3-2-A 「さて、終わった。片づけたら飯でも行こうか」 「はい。提督」 穏やかに微笑んだ太眉の艦娘が机上の帳簿や資料をまとめ始める。 事務机の上には戦闘詳報や沖ノ島海域の航空写真、敵情などのファイルが開かれている。 休日とはいえ現在、艦隊は作戦行動中である。 艦隊が休んでいる間、つまりは出撃していない間にこそ編成や資源割り当ての準備を 済ませておかなければならない。 事務方が忙しいのは昔から変わらない。 『海軍軍人たるもの地上勤務など希望してはいけない』 と西村提督は言っていたが書類を決済できる”提督”はこの鎮守府には一人しかいない。 書類が山になるのも仕方がない。 特に沖ノ島海域の攻略が始まってから遠征艦隊の編成と入渠作業で提督の手はいっぱいである。 あれやこれやと最近は深夜まで作業が続く事も多い。 今日のところは朝から手伝いに来ていた妙高のおかげもあって作業は順調に片付いていた。 「すまないな、朝から。おかげで助かった」 「いえ、お役に立ててうれしいです」 妙高はてきぱきと資料類を片していたが、ふと手を止め提督を見つめた。 何のことはない平凡な顔立ちの男。 特に上着を脱ぎノータイのシャツというラフな格好の今は特にそう感じる。 だが潮風と爆炎に鍛えられた心と体がその中に隠れている事を妙高は知っていた。 潮気とでも言うべきか。 艦娘達が共通して愛する海軍の男に纏われる独特の色気。 かつて彼女達を指揮していた艦長、司令といった男たちの持っていた香り。 幾度も共に死線を越えるうちに確実にこの男はその香りを強く纏い始めている。 幾度も共に死線を越えるうちに妙高はこの男に特別な感情を持ち始めていた。 はしたないと思いながらも自ら望んで、戦闘の火照りを鎮めるために体を重ねた夜も 多々あった。 しかし、最近はとんとご無沙汰である。 彼が深夜まで書類と格闘していることは鎮守府の誰もが知っている。 彼女自身や那智、愛宕や不知火といった事務処理に比較的長けた艦娘達が仕事を手伝うのが 慣例だ。 そしてその後、寝室まで共にしてしまう艦娘も多い。 妙高は提督の体を慮ってそのまま部屋を辞するようにしている。。 特に二人の妹は完全勝利目前で撤退した時など戦闘の穴を埋めるかのように提督の体を求めた。 秘書艦の仕事を終えて執務室を退出する自分と入れ違いに扉に突撃する足柄や、冷静さを 装いながら手と足が同時に出ている那智とすれ違った事も一度や二度では無い。 自分の慎ましさが恨めしい。 だが。 休日。仕事終了。二人きりの部屋。 ライバル?の艦娘達はほとんど鎮守府を出払っているか疲労で休養中だ。 最も警戒すべき足柄と那智の二人は現在入渠中。 13万5千馬力を誇る機関がうなりを上げ20.3サンチ主砲に仰角がかかる。 天佑ワレニアリ。全軍突撃セヨ。 もじもじと顔を赤らめていた妙高だが意を決したように提督に声をかける。 「あの提督……エッチしましょう!」 3-2-B 「…………へっ?」 唐突すぎる妙高の申し出に提督の時間が止まる。 顔を真っ赤にした妙高は両手をグーに握りしめ提督を見つめる。 「最近、ご無沙汰ですしっ……いえ、はしたないのは重々承知ですがっ」 「そ、そうだね」 ずいと顔を近づけてきた妙高に気圧されて提督が椅子の上でのけぞる。 「ダメ、ですか……」 八の字になった眉毛の下で上目遣いの瞳が潤む。 ゆっくりと頭を振って提督は真剣なまなざしを返した。 「ダメじゃないよ」 ホッとした微笑が提督の視界で大きくなる。 白手袋に包まれた彼女の細い指が優しく顔を包んだ。 熱い唇が彼のそれに重なる。 「…んっ……ちゅっ、ちゅちゅっ……んぁはぁぅ」 そっと妙高の肩に提督の手が置かれる。 そのまま男の胸に艦娘は体を預ける。 心がジンジンとしびれ動悸が高まる。 同時に羞恥心が薄れ、本能が頭をもたげていく。 ほどなく妙高はするりと提督の口内に舌を割り込ませる。 「ちゅっ……んん、ふ……んぷっちゅぅ」 前歯の裏側をくすぐり舌先と舌先を重ねる。 観念したかのように提督の舌が呼応してチロチロと舌先を絡めてくる。 「んぶぅっ……んっんっんっんっ……ちゅぷぅるぅぅ…んぅっ」 次第に大胆になっていく提督の舌の動きに合わせるように妙高はより深く舌を差し入れる。 提督の舌が妙高の舌を完全に捉え完全に絡み合う。 「れろぉ、ちゅぷっ……んぐ、ぅうううんっ……んふぅぅぅぅぅ、んぁふぅぅんっ」 反対に差し入れられた提督の舌が妙高の口内を優しく撫で始める。 舌の裏を、歯茎を、奥歯をくすぐられて妙高の鼻から甘い息が漏れる。 口内に侵入する男の唾液を夢中で舌ですくい集め嚥下する。 胃に落ちていく熱い体液が体の内から抱きしめられる錯覚に妙高を包む。 そのままそっと提督の股間に手が触れる。 硬く熱いものが脈打ってるのがわかる。 ジュンと股間が潤い熱い愛液がショーツを濡らす。 動悸はさらに高まり、思わずごくりと唾を飲み込んでしまう。 -ああ、提督のおちんちん、もうこんなになってる…欲しい。 メスの本能をさらけ出し始めている自分が恥ずかしい。 しかし、愛欲に蕩け始めた脳はそれを甘受し、あまつさえその後の行動を催促する。 「ぷはぁ、はぁはぁ……提督、これ大きくなってます」 妙に手慣れた手つきでジッパーを下げ陰茎を露出させる。 既に力を漲らせていた怒張が天を突くように飛び出した。 「え?、ちょっと、妙高?」 「お疲れでしょうから、私がお口で……はむ、んふぅ」 提督が止める間もなく妙高は提督のペニスにしゃぶりついた。 「ちゅぷっ、ちゅぷっ、ちゅ、んんん……んふぅ、ちゅぷ……じゅるるる」 長いストロークでペニスに引き延ばされるかのように唇が歪む。 じゅぷじゅぷじゅぷ、と淫靡な水音が規則的に室内に響く。 提督が快楽に負け腰を椅子に落として妙高に身も心も委ねたその時。 執務室のドアから遠慮がちなノック音が聞こえた。 「あの、は、羽黒です。提督、いらっしゃいますか?」
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/57.html
照り付ける太陽と紺碧の海。 熱い陽光を覚ますかのようにさわやかな海風がわたる。 透明度の高い海中に目をやれば、色とりどりの魚が薄い水色の海中に華やかさを添える。 東部オリョール海。 なにもなければここ南洋は楽園と称してかまわない海だろう。 「なにもなければ、な…」 双眼鏡を下した青年-というには少々歳のいった男は独り言ちた。 彼の頬に当たる海風に含まれる鉄と油と硝煙の匂いがここが楽園でないことを示していた。 水平線の彼方に黒煙が上がっている。 上空には任務を終え母艦に戻る艦載機の轟音。 「提督。撃沈、軽巡1。大破、雷巡2、戦艦と空母は無傷です」 太眉と切りそろえた前髪が印象的な艦娘が男-この艦隊の司令官に戦況を伝える。 「了解。航空先制はまずまずか…。一航戦を下がらせろ」 「はい、赤城さんと加賀さんには必要以上に前に出ないように伝えます」 「ふふ、相変わらず気が付くな。妙高」 妙高型一番艦妙高。提督の鎮守府には妹たちに遅れてやってきた。 どこか、ほんわかぼんやりしたような艦娘だが、さすがに4姉妹の長女だけあってかしっかりとしており何くれとなく提督に尽くしてくれる。 妙高の何気ない気づかいに思わず頬を緩め頭を撫でてしまう。 「……。では、行ってきます」 されるがままに掌を堪能した妙高は、ドキドキする胸と上気した頬を隠すよう にクルリと背を向けた。 提督の顔に緊張が走る。 「うむ。戦略的にはもう勝っている。無理をしないように皆に伝えてくれ」 「了解しました……、第5戦隊敵艦隊に突撃します」 号令一下、かつて連合艦隊が誇った一等巡洋艦4隻の魂を引き継いだ艦娘達が35ノットの快速力で飛び出した。 世界を瞠目させた強武装の一万トン級巡洋艦妙高型の魂は今、艦娘として蘇り、 再び祖国を脅かす夷敵-深海棲艦を倒すため戦場を疾駆する。 紺碧の海を割り裂いて白い航跡がたなびく。 眼前には戦艦を先頭とした敵艦隊が迫る。 戦艦ル級の生気のない青白い顔に薄い笑みが浮かんでいる事すら見える。 敵艦、発砲。 4隻の周囲、右に左に16インチ、8インチといった砲撃の水柱が上がる。 水柱の壁をくぐり抜けるように彼女たちは距離をつめていく。 柔肌を至近弾の破片がかするがものともせず疾る。 そして、距離10,000。 「撃ちます!」 「砲雷撃戦用意!」 「砲雷撃戦てぇーっ!」 「撃ち方、始めてくださぁーい!」 空と海の狭間に乙女たちの号令がかかる。 20.3サンチ連装砲が敵を指向し測距を始める。 同時に61サンチ魚雷発射管が敵の未来位置を定め回頭する。 いち早く4姉妹の中で最も冷静かつ戦術判断に優れる次女の那智が砲撃を開始する。 「敵一番艦に初弾、夾叉!良し、いいぞ。姉さん、ワレ統制砲撃ヲ希望ス」 「了解、目標敵一番艦、5戦隊統制砲撃始メ!」 砲撃データが姉妹たちに分配されるや否や、4姉妹で最も血気盛んな三女足柄が10門の主砲を斉射する。 「弾幕を張りなさないな、撃て!撃てぇー!」 砲撃時の発射干渉を避けるため0.03秒ずつ遅延して放たれた砲弾は彼女のかつ ての異名 餓狼”のように敵戦艦に襲い掛かった。 水柱と閃光。 足柄の砲撃を追うように妙高、那智、羽黒の砲撃も命中する。 近距離から放たれた20.3サンチ砲弾は敵戦艦の装甲を食い破り確実にダメージを与えていく。 ル級の能面が歪み、明らかに砲撃の精度が落ちていく。 速度が衰え、煙を吐き出しながら傾斜するル級の陰から空母ヲ級の姿が除く。 「いかん!艦載機を発艦させてるぞ!」 那智が振り返るよりも早く敵艦載機は後方の一航艦に襲い掛かっていた。 上空で直掩滞空していた零戦52型が銀翼を日本刀のように煌かせ敵機に突撃する。 しかし、慢心からか不用意に突出していた母艦を助けるには時間が足らなかった。 急降下爆撃機が猛禽のように赤城と加賀に襲い掛かる。 「敵機直上、急降下!」 飛行甲板に火柱が上がる。 「後方、一航戦に命中弾!火災が発生しています!」 最後尾を進む末の妹羽黒が悲鳴を上げる。 「あの、あのっ、助けに行かないと!」 「大丈夫、羽黒ちゃん。あれぐらいじゃ赤城さんも加賀さんも轟沈しないわ」 パニック気味に叫ぶ羽黒をやんわりと妙高が制する。 「それに対空戦闘は私たちには向いてないわ。私たちは-」 「目の前の敵を葬るだけだ、砲雷撃戦で!」 「そうよ、さあ行くわよ!勝利が私を呼んでいるわ」 三者三様の励ましを受けて羽黒はハッと我に返る。 まだ目に涙は溜まっていたが顔を上げ戦場を見据える。 「わかりました。精一杯、頑張ります!」 電撃を放ちながら雲海を進む一匹の竜のごとく妙高級は縦横に戦場を駆ける。 既にヲ級は爆発を繰り返しながら傾斜し、最後に残った重巡ももはや雷撃する 余裕もなくなっている。 距離5,000。 93式酸素魚雷の必中距離だ。 「青い殺人者」「ロングランス」と恐れられた連合艦隊所属艦艇の最大の秘密兵器にして最強の切り札。 「5戦隊統制雷撃戦用意」 「統制雷撃戦、ヨーソロー」 「そのままそのまま、よーい、テェーっ」 「魚雷発射、始めてくださーい!」 海原に放たれた32本の魚雷は静かにしかし素早く海中を進む。 3分後。 「敵戦艦に水柱4つ!巡洋艦に水柱2つ確認。敵艦大傾斜、沈みます」 冷静に敵情を見わたした那智が報告する。 「皆さんの努力結果です。よく頑張りました」 にっこりと妙高がほほ笑む。 「だって私がいるんだもの!当然の結果よね!大勝利!」 至近弾で少々傷を負ったが未だに元気な足柄が興奮冷めやらぬ様子で胸をそらす。 「勝って兜のなんとやら、だ。さあ、帰投しよう」 那智が怜悧な顔に満足げな笑みを浮かべてたしなめた。 4人姉妹は傷ついた2隻の空母を護衛しつつ母港への帰路に就いた。 未だ沸き立つ海面を眺めながら羽黒は呟いた。 「このまま、すべての戦いが終わってしまえばいいのに」 「以上で戦闘報告を終わります。……あの提督?」 東部オリョール海突破、おまけに戦闘後新しい仲間蒼龍を戦列に加えられたにも関わらず提督の顔は冴えなかった。 「主力空母が2隻とも大破、これは痛いな…」 母港にたどり着くやいなや2隻の空母はドッグ入りとなった。 「俺のミスだ。陣形をもう少し考えてやれば損害は防げたかもしれないな…」 この男は戦果よりも艦娘の損害を気にする、いや気にしすぎる傾向があった。 「それは後知恵というものだ。戦略的にも戦術的にも我々の勝利だ」 「そうです、そうです!大勝利ですよ」 冷静に那智が、興奮冷めやらぬ足柄が提督を慰める。 「あの、司令官さん。私ももっと頑張りますから…あの、その…」 わたわたする羽黒の頭を撫でながら提督はようやく笑みを浮かべた。 「そうだな、皆ありがとう。一航戦が使えない以上大規模な作戦は難しい。しばらくは蒼龍の慣熟訓練と資源の備蓄務めるとしようか」 「ということは?」 「第5戦隊もしばらくはお休みだ。みな、ご苦労だった」 4人の艦娘達は揃って執務室を辞した。 「さて、しばらくは休みだな。ということは少なくとも今日はしっかりと飲めるわけだ」 普段はクールな那智が相好を崩す。 「それなら獅南島に果物を使った美味しいお酒があるらしいわよ」 ほんわかと妙高が返した。 「なにっ?それはいいな。よし、みなで繰り出そう」 「勝利をつかむには休息も大事ね」 「あの、あの、頑張ります」 こうして4姉妹は夜の街に消えていった。 …… ……… ………… それから数時間後。 羽黒は多少フラフラする頭を抱えて鎮守府に帰ってきた。 4人は獅南島の一流ホテルのバーで杯を交わした。 いつものように、那智がハイスピードでグラスを開けていった。 妙高は那智に付き合ってしばらく飲んでいたが、とうとう 轟沈 してしまいカウンターに突っ伏して幸せな寝息を立てている。 獅南島は日本酒こそ少ないものの、かつてイギリス統治下だったこともあり船乗りの酒-ジンやラムが豊富に取り揃えられていた。 多分、那智は未だに飲んでいる。多分。 『今日ぐらいは飲ませてくれ』と那智は言うが出撃前以外はほとんど毎日飲んでることを羽黒は知っていた。飲んでもほとんど乱れないが飲み始めると止まらないことも知っていた。 さすがに出撃した後は自室の布団で寝たいと思った羽黒は妙高を起こすことを断念して一人鎮守府への家路についた。 「……羽黒山、飲みたいなぁ」 はるか遠い祖国のきりっとした飲み口と芳醇な香りを持つ酒を思い出しながらフラフラと鎮守府の廊下を歩く。 「そう言えば足柄姉さんはどこに行ったんだろう?」 飲んでる最中も興奮気味だった足柄は2時間ほど前に『おさまりがつかないわ。しようがない夜戦してくる』と大股で店を出ていった。 『頑張ってね~』と手を振る妙高と『ふんっ』とプイと顔を背け不機嫌にグラスを乾した那智をいぶかしげに見ながらその背を見送った。 「姉さんと一緒に帰れば良かったかな?」 そう思いながらふと顔を上げると司令官公室の方からなにやら声が聞こえてきた。 艦娘達の寮に行くのに提督の自室前を通るのが近道であることは鎮守府では半ば常識であった。 小首を傾げて扉に近づく。 「……ぅぅ……ぃぃ…ゃぁ……」 薄らと開いたドアから漏れ聞こえる声に羽黒は聞き覚えがあった。 「足柄姉さん?」 そっと中を覗いて羽黒は言葉を失った。 「あぁぁぅっ、おぉぉぉぉぉぅっ」 全裸の足柄がベットの上で四つん這いになり嬌声をあげている。 覆いかぶさるように足柄を抱きしめる影を見て羽黒は腰が抜けたようにしゃがみこむ。 「し、司令官さん」 夜戦で鍛えた目が影の正体をとらえる。汗みずくで腰を振る男は紛れもなく鎮守府の顔、提督であった。 「足柄、少し、強すぎないか?」 結合部は羽黒の位置からは良く見えないが長大な男根が足柄のすらりと伸びた足の間を行き来しているのがわかる。 「いゃいやぁん、もっと、もっと突いてぇっ」 ストロークが弱くなると足柄は尻を振って抗議する。 「いやぁん、おちんちん、ズボスボして、くださぁい」 普段の自信に満ちた表情から想像もつかない蕩けた”メス”の表情で肩越しに提督をねめつける。 「全く、仕方がない奴だっ」 「あぉぉぉ、ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 再び力強く抽挿を開始する。足柄の豊満な尻に提督の腰が当たりバシバシとリズミカルな音が響く。 「あっおっおっおっぉっんんんん、気持ち、いいっ」 提督は腰を叩き付けながらそっと足柄の股間に手をやる。 濡れた秘所、太い男根を食い占める膣口の上あたりをまさぐりそれを見つける。 「ひゃっんっ、それっ、イイっ」 背筋をビクンと跳ねさせて足柄の嬌声が一オクターブ上がる。 提督はクリトリスを摘まんだのだ。 「足柄はこれが好きだったな」 「くぅぅぅっクリ、お豆ぇもっと、もっとぉぉ、引っ張ってぇ、痛くしてぇ」 さすがに全力で引っ張ったりはしないがそれでも指の力を強める。 膨らんだクリトリスを引っ張るだけではなく押し込むようにぐりぐりと擦る。 「そ、それ、それぇぇ、くひぃぃぃぃぃ!」 ぶるぶると背を震わせながら足柄がよがる。 抽挿のたびに豊満な乳房が揺れる。 「あっあっあっぁっんん、気持ちいいぃぃっ」 「おちんちん、中にいるのぉ、いい、いいのぉ」 戦闘で昂ぶった足柄を落ち着かせるのに抱くようになったのはいつ以来だろうか。 この方法をとっている-肉体関係を持っている艦娘は何も足柄だけではない。 そのことを、自分以外の艦娘が彼に抱かれていることを彼女たちは皆知っている。それでもなお、彼との肉体関係を続けている。 提督自身これが最良の解決方法だとは思わないが少なくとも足柄達はこの方法を受け入れている。 だが、提督とて男だ。普段、きりっとした自信家の足柄が自分に組み敷かれてあられもない声をあげるのに興奮しないわけが無かった。 「ああああっ、好き、好きぃっ、くあぁぁぁぁっ」 「っく、そんなにセックスが好き、か」 自嘲も込めて提督が問う。 「ちがっ、違うぅんっ」 足柄は乱れた髪をさらに振り乱して答えた。 「提督もぉ、提督も好きぃぃぃ」 足柄の潤んだ眼を見て抽挿が止まる。 「提督も、提督の……おちんちんも、好きぃ」 ぞくりとするような会心の笑顔を見て、提督の心に火が付く。 さっきに倍する力で己が男根を足柄のぬかるみにねじりこむ。 「あっあっぁっあっあっ、すごっ、強いっ」 熱い肉筒が嫌というほど男根を食い締める。 「くっ、だめだ。出る」 そう言ってペニスを引き抜こうとする提督に足柄は尻を押し付ける。 「いやっ、いやぁっ、抜かないでぇぇ」 「お、おい、足柄」 足柄は後ろで回した手で腰を抑える提督の手を握る。 「お願い。このまま、はぁはぁはぁ、このまま来てっ」 足柄の手を握り返すともう一方の手で抱くように上半身を持ち上げる。 「いくぞっ」 今までに無い強いストロークで足柄の最奥を突き上げる。 「あは、ぉっおおっ、んっ、中に、中にきてぇぇぇっ」 「んっ出るっ」 ペニスが胴震いすると灼熱の白濁が艦砲射撃のように足柄の奥を叩いた。 「あっ熱ぃ、イクッ、イグゥ、イグぅぅぅぅぅぅ」 がくがくと体を痙攣させてそのまま後ろに崩れる。 受け止めた提督も荒い息のまま足柄とともにゆっくりとベットに倒れる。 ずるりとペニスが足柄の膣から抜け出る。 後を追うようにして白濁が秘裂からどろりと垂れた。 愛しい艦娘を胸に抱く男と戦いの高揚と快楽の絶頂を味わいつくした巡洋艦娘が戸口から足早に去っていく影に気付くことは無かった。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/367.html
189 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 34 22.18 ID AtwVUep/ ※鬱展開、キャラ崩壊あります。ある意味悪堕ちというかNTR 「よく来てくれた。時間通りだな」 「……何かご用ですか?」 使われなくなって久しい軍の施設内に男女の声が響く。 男は軍の高級将校、女は艦娘。 「なに、簡単な話だ。君に新しい任務を与えようというのだよ」 「それなら私の上官に仰ってください」 「無茶を言うな。いない人間とは話はできん」 「……」 男はこの艦娘、伊勢の上官である提督のさらに上の立場にある。 そしてこの男の言う通り、現在彼女達の提督は鎮守府にはいない。 いや、既に提督などと呼ばれる者は数えるほどしかいないのだ。 深海棲艦との戦いに勝利し、敵を失った軍はそれまでの発言力を失い、それまでの規模を維持できなくなってきていた。 しかし、戦争の功労者がそう簡単に失脚する事はない。縮小にはそれなりの理由がある。 膨れ上がったまま敵を失った軍はやがてあらゆる腐敗の温床となった。 軍の縮小は事態を重く見た政府による刷新政策の一環ではあったが、即座に全てが良くなるわけではない。 現に、よく分からない容疑で拘束された彼女達の提督は未だに戻ってきておらず、後任の者も現れない。 「君の上官がいない以上、君に直接下命するのは当然だろう?」 伊勢は俯いたままぎゅっと拳を握った。以前に一度あった時から、この男は心底気に食わない。 彼女達の提督は実直で口数の少ない職人肌の人物で、周囲からは頑固親父とも言われてはいたが、 部下である彼女達の事は常に気にかけており、実の娘のように可愛がってもいた。 そんな提督を伊勢も憎からず思ってはいたが、今目の前にいるこの男はそれとは正反対だ。 保身と出世にしか興味のない、一言でいえばいけ好かない男というのが伊勢の抱いた第一印象だ。 自尊心と虚栄心が人の形を持ったようなその男は、まさに腐敗した軍の象徴のように思えた。 「わかりました……ご命令を」 とは言え、気に食わないからと上官の命令を無視するわけにもいかない。 190 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 37 26.56 ID AtwVUep/ 「単刀直入に言おう。兵の慰問を命ずる……どういう意味かは君も分かるだろう?」 「なっ!?」 艦娘の慰問とは何か、暗黙の了解であった。 「わ、私には出来ません!」 とは言え、年頃の娘である彼女らがそんな命令を簡単に聞けるものでもない。 「娼婦でもない君には難しい任務だとは思うが、これならどうかね」 男は横に置かれたモニターのスイッチを入れる。 映し出されたのは、薄暗い部屋の中で椅子に縛り付けられ頭に拳銃を突きつけられた妹の姿。 「日向!?」 「伊勢!駄目だ!逃げろ!」 お互いの音は聞こえるようになっているらしい。 「君が出来ないと言うのなら、君の妹にやってもらうだけだ」 「伊勢、私は覚悟できている」 日向の言葉に男の唇が歪む。 「ああ言っているが?」 「ぐっ……」 男を睨みつける伊勢。 「こんな下種共のいう事を聞く必要はない。私は慰み者にされるお前なんか見たくない」 「下種だと?貴様、それが上官に対する態度か!」 モニターの中で拳銃を突きつけていた士官が日向を殴り倒す。 「やめてっ!止めてください!私が……私がやります」 「よせっ!駄目だ伊勢!戻れ!」 引きずり起こされた日向が叫ぶ。 「私だって慰み者にされる日向なんて見たくないよ」 伊勢はそう言いながらモニターに背を向け、背後に集まってきた下卑た笑みを浮かべる兵士たちの方へ歩いていく。 「やめろ!私がやる!」 「日向、私は日向のお姉ちゃんだよ?たまにはお姉ちゃんらしいことさせなさいな」 「実に美しき姉妹愛か、いいねぇ。終われば二人とも自由を保障しよう」 男の言葉には反応せず、伊勢は笑顔でモニターに振り返る。日向を安心させるためか、自分を安心させるためか。 「終わったら、一緒に帰ろ」 「伊勢……」 「さあ、最初は誰?」 大柄な兵士たちに囲まれながらいつも通りの声で叫ぶ。 191 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 41 10.23 ID AtwVUep/ 兵士たちは目くばせすると、そのうちの一人の士官が進み出て伊勢の胸ぐらを掴み、乱暴に引き倒した。 「ぐうっ!」 「へへっ、流石は戦艦か。良い体してやがる」 言うなり士官は伊勢の袴に手を突っ込み下着に手をかけるとその中に指を入れ、まったく濡れてない秘部を触る。 「ううぅ……」 嫌悪感に顔をゆがめる伊勢だが、士官はお構いなしに下着ごと袴をずり下げながら自分もズボンを下ろして、怒張した一物を突きつける。 「さて、後がつかえていることだし早速……」 「あうっ!」 士官の大きな手が伊勢の胸をインナーの上から鷲掴みにし、巨大な一物を一気に伊勢の中へ押し込んでいく。 「んあああああっ!!」 押し広げるように進む侵入者に伊勢は苦痛の悲鳴をあげるが、 士官は侵入する速度を少しも緩めず最奥に押し込み、伊勢の腰を掴みあげて大きくゆする。 「あっ、ぐううぅ!いぎっいあああっ!」 伊勢の悲鳴に周囲から歓声が上がる。 やがて二人の間に滴る血に交じって白濁液が流れ落ちる。 「うくぅ!うっ、あっ……」 ビクンと伊勢の体が跳ね、人形のように動きを止める。 「この体で生娘とはな」 「艦娘ってのは男日照りなんだろ」 「あのおっさん、思ってた以上の堅物だったか」 周囲の兵士たちが口々に騒ぎ、伊勢の嗚咽を掻き消していく。 「少尉。時間短縮のため口及び肛門の使用を提案いたします」 「はっはっは。時間短縮か!まあいい。全員好きな所に並べ」 伊勢から一物を引き抜きつつ、少尉と呼ばれた士官が言うと兵士たちから再び歓声が上がり、やがて三つのグループに分かれた。 「よし、次」 少尉が伊勢から離れ、次の兵士が跨る。 同時に仰向けに寝かされている伊勢の背中側にも別の兵士が入り込み自分の腹の上に伊勢を乗せるように陣取る。 「えっ!?ちょ、ま、待って!やめて!そこは……」 「うん?何だ?やめてもいいのか?」 背中側の兵士の言葉に伊勢の理性が蘇る。 (駄目だ。私が拒めば日向が……) 「何なら妹ちゃんにやってもらってもいいんだぜ」 「そ、それだけはやめて!私がやります。私でやってください!」 三度兵士たちから歓声が上がる。 「聞いたか。自分からやってくださいだと」 兵士たちがはやし立てる中、伊勢は覚悟を決めて目を閉じる。 192 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 43 43.19 ID AtwVUep/ 「いぎああああっ!!いっ、いだっ、お尻壊れぎいいいいいい!」 絶叫が響く。 「かひゅ!ひゅ!ひゅう!」 「おい殺すなよ」 笑い声が広がる。 前からも同時に突き上げられ、声にもならず肺から空気が絞り出されていく。 苦しさのあまり大きく開かれた伊勢の目に、先程と同じぐらいに巨大な一物が迫ってくる。 「ごむぅ!うむううう……むぐっ」 「ほらさっさと扱け」 叫び声に蓋をするように一物が口に押し込まれるが、とてもそんな事をする余裕などない。 とは言え、伊勢が落ち着くのを待ってくれるような紳士であればこのような事は端からしない。 「ほら、こうするんだ」 「ぐむう!もごぉ……」 兵士は伊勢の結わいた髪の根元を掴むと頭を前後させる。 苦しそうに顔を歪める伊勢だったが、吐き出すことは許されない。 「うぷっ!ごほっ、ごほっ!ごっ……くひいっ!」 噴出した大量の白濁液が伊勢の口から溢れだし、むせ返っている間にも前後の穴からの突き上げはやまない。 「おおっ、なんだかんだ言って感じてるじゃねえか」 「ちがっ……そんなんじゃ、ひゃあん!」 幸か不幸か、伊勢の体は前に関しては女として正常な反応を示し始めている。 「ふああっ!違う!気持ちよくなんか……あん!」 口とは裏腹に、伊勢はすでに快楽を感じ始めていた。 (なんで?私こんなの嫌なのに。気持ちいいなんて……そんな……) 「うふぁぁ!ひゃあん、ひっ、くううぅ」 伊勢の心とは裏腹に、前はくちゃくちゃと音を立てる。 「よし次だ」 洪水のように流れ、広がっていく白濁液の海の中、もう何度目か分からない交代の号令がかかる。 「ふひゃん!はぁ…はぁ…次、早く…」 「はは、乗ってきたじゃねえか」 伊勢の気持ちなど本当は知っているであろう兵士たちの中には、わざとじらすような態度を見せる者も出始めた。 (日向……もう少し、もう少しだからね…) 「いぎっ!ひゃあん、ひゃああっ!ぐむうぅぅ!」 かわるがわる全身を犯される中、伊勢はただ日向の事を思い耐え続ける。 「よし。これで全員か」 無限に続くように思われた責め苦は、ついに終わりを迎えた。 193 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 47 03.47 ID AtwVUep/ 「よく耐えたな。敬服に値するよ」 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…。日向、日向は……?」 「ああ。勿論開放するさ」 一部始終を見ていた男は薄汚い笑みを浮かべながらそう言うと、顎で隅に設置された古い建屋を示す。 元々何かの格納庫か整備工場だったのだろうこの場所は、在りし日には事務所にでもしていたのだろう小さな建屋があった。 示された場所に、動かない体を引きずりながら一歩一歩近づく伊勢。 全身のどこにももう力は入らず、痛みを訴える下半身はいう事を聞かず、鉛のように重たく感じる。 「日向、日向……終わった、終わったよ……」 ようやく辿り着いた建屋の扉の前で伊勢は呟く。 涙と白濁液でぐしゃぐしゃになった顔に初めて笑顔が戻った。 「さあ、帰ろう。日向」 倒れ込むように扉を押し開け、中に転がり込む伊勢。 その目に映ったのは、 「んひいいっ!もっと、もっとぉ!ひひっ、あひいっ」 兵士たちに囲まれ、自分と同じぐらい白濁液に塗れながら、一糸まとわぬ姿でよがり狂う妹の姿。 「ひゅう、が…?」 目の前の現実が理解できず立ち尽くす伊勢に背後から男の声が聞こえてくる。 「ああそうだ、言い忘れていたが、殊勝な妹さんだね。姉の姿に心を痛めて自分が変わると言い出したよ。 それで本来なら君に行くはずだった分のいくらかを妹さんにお願いした」 「日向?嘘でしょ……?ねえ、ひゅうがぁ……」 「とは言え流石に私も気の毒に思ってね。少しでも助けになればと、ある薬を打ったんだが……どうも一回の量が多すぎたかな?」 男はおかしそうにそう続ける。 「おお何だ?姉ちゃんの方も混ざりたいってか?」 一人の兵士が立ち尽くした伊勢の腕を掴もうとした瞬間、 「日向に触るな糞共!!」 その腕を逆手にとって引き付けると、体勢を崩した兵士の首を掴み、後頭部を壁に叩きつけた。 崩れ落ちる兵士を尻目に、どこにそんな力が残っていたのか不思議なほどの勢いでもう一人近くにいた兵士にとびかかる伊勢。 怒りと憎しみに染まった悪鬼の如き表情からはいつもの温和な彼女は到底想像できない。 銃を抜くのも間に合わないと判断して素手で応戦しようとしたその兵士の腰から、 すれ違いざまに拳銃を奪い取るとハンマーのようにして頭を殴り飛ばす。 しかし、そこがお終いだった。 一瞬の隙をついた他の兵士たちが伊勢を羽交い絞めにし、一斉に馬乗りになって取り押さえる。 194 :名無しさん@ピンキー:2014/05/03(土) 18 49 09.45 ID AtwVUep/ 「いやはや、驚いたな。まだそんなに動けるか」 「貴様!殺す!殺す!殺してやる!」 素直に驚いたという風に現れた男に、伊勢は足元から睨みつけてそう叫ぶ。 「その調子ならもう一巡お願いできるかな?」 「離せっ!離せくそ!ぶっ殺してやる!」 呪詛の言葉を吐き続ける伊勢を集まってきた兵士たちが取り囲む。 やがて伊勢の声は途絶えたが、直後に一人の兵士が叫ぶ。 「おい!拘束具だ。何でもいい。口にはめろ!こいつ舌噛みきる気だ!」 腕を伊勢の口に押し込みながら部下に命じる。 「口は売り切れか」 「仕方ねえだろ。噛み千切られたいか?」 兵士たちが冗談めかして呟く。 「ああそうだ。元戦艦が二人。どちらも調教済みだ。薬代は料金に入っている」 建屋の中で男が電話でどこかに話している。 「ああ、うん。ははは、いやこれからも宜しく……では」 電話を切った男に一人の士官が報告する。 「中将。姉が到着しました」 「よし来たか。全くいい商売だ」 ほくそ笑みながら男は建屋を出ると、護衛の兵士たちと共に時間通りに現れた相手の前に立つ。 「妹は、山城は無事なんですか!?」 「ああ、無事だとも」 終 +後書き 以上スレ汚し失礼しました。 伊勢日向は健全な意味で仲良しな感じが良いと思った。 普段温厚な子がブチぎれる程度の絶望感ていいよね(ゲス顔ダブルピース)
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/30.html
新しい提督が着任してきて数ヶ月が経った。 少なくとも現在の鎮守府は平和だ。 もちろん戦時中なので戦闘はある、が現在の提督は的確な編成と負担の軽減を優先させる戦術で 戦果自体は極々平凡ではあったが轟沈する艦娘が出たりはしていない。 秘書艦を務めている不知火は今日も黙々と司令室で仕事に励んでいた。 戦闘に赴くことはもちろんあるがそれ以上に遠征に向かう艦隊の編成や ランニングコストの計算、上層部からの命令への対応や他の艦娘達から上がってくる要望の処理など そういった仕事のサポートをする為、必然的に司令室にいることが多くなる。 そして不知火にとって今の提督はある意味理想的な上官と言えた。 今までも秘書官を務めたことは何度かあるが 何故か大体がこちらを無理やり弄ろうとしてきたりコミュニケーションを強要しようとしたり または何かを期待するような目で息を荒げて馬鹿な行動をとってくる提督ばかりだったからだ。 とはいえその手のセクハラはどこの鎮守府でも多かれ少なかれ行われているとは聞くし 中には共に退役してゴールインしてしまった提督と艦娘もいるらしいが。 その点現在の提督は相手に合わせたコミュニケーションを取れる人物であり 不知火としては仕事に集中しやすい時間を用意してくれる。 少なくとも上官として好意を抱ける提督ではあった。 今日までは。 「司令、書類の作成は全て終了しました。ご確認をお願いします」 時間は既に深夜だった。 遠征隊がちょうど同時に帰還したり、上層部への報告書作成や資源状況の整理などを今日中に処理しなければならず 提督と不知火はこの時間まで仕事に追われていた。 「ん? ああ」 書類へのサインに忙殺されていた提督が不知火を見る。 「わかった、確認しておく。こんな時間までご苦労だったな」 そう言うと提督は無造作に不知火の頭に手を乗せて軽く撫でた。 「……不知火の頭を撫でないでください」 とっさのことで反応に困った不知火だが表情も変えずに抗議の声を上げる。 他の駆逐艦が頭を撫でられて喜んでいる光景は何度か見たことがある。 駆逐艦は他の艦より精神年齢が幼い娘が多い。 提督は割と懐かれているため頭を撫でられるとほとんどの駆逐艦達は喜んでいたのだが 自分も同じように扱われるのは少し納得がいかない。 「嫌か?」 こちらの心情を知ってか知らずか微笑みつつも頭を撫でるのをやめない提督を睨む不知火。 「命令でもダメか?」 言葉につまる。 不知火にとって命令は絶対だ。 多少なりとも理不尽でも艦娘として上官の命令には従う義務があると不知火は考えている。 もちろん今までは理不尽すぎる命令に関してはそれ相応の対価を支払わせてきてはいるが。 「……ご命令ならば……」 この状況に関しては非常に微妙な気分なのでそう言うしかない。 頭を撫でられていた艦娘の気持ちがなんとなくわかってしまいそうな気がして あえてその感情を振り払うつもりで提督から顔を背けた。 隠しきれない感情がうっすらと、しかし確かに頬に赤く浮き出ていることには気づかずに… ************* キス島に出撃した艦隊が帰還した。 その構成は全艦駆逐艦からなる艦隊である。 主力艦隊の撤退を支援した後、全速力でキス島海域を離脱するという非常に危険度の高い任務であったが 不知火を旗艦とする駆逐艦隊は損害を浴びつつも一隻も欠ける事なく無事生還したのだった。 「よくやってくれた…」 提督が安堵と疲労感の入り混じった声を第一艦隊の艦娘達にかける。 無事に戻ってくるまで珍しく仕事も態度もソワソワしていて手についていなかった、とは 後で現在の第一艦隊の艦娘達が他の艦娘たちより聞いた話である。 無事生還を祝った皆の前でひとしきり感謝の言葉を語りつつ提督は一人ずつ頭を撫でていく。 暁はいつものように顔を赤らめながら怒ったように 響は態度こそ変えないものの目を瞑って気持ちよさげに 雷は心の底から嬉しそうに 電は恥ずかしがりながらも笑顔で 島風は満面に得意げな表情を浮かべて提督の祝福を受けた。 そして最後に旗艦を務めた不知火に「本当によくやってくれた、お前のおかげだ不知火」と声をかける。 対する不知火は表情一つ変えず「任務ですから」とそっけない返答を返し、皆を苦笑させるのだった。 その数時間後、修理を終えた不知火は司令室のドアを叩いた。 「不知火です、修理は完了致しましたので任務に復帰します」 「ああ、入れ」 いつもどおりといえばいつもどおりの光景ではあるのだが、微妙に部屋の空気が違っている、ような気がする。 「出撃のすぐあとで疲れているだろう、今日は無理しなくていい」 「それはご命令ですか?」 普段も無愛想な不知火だが、それでもいつもに比べて態度が少し刺々しい。 それを感じ取った提督が苦笑しつつ不知火に近づく。 「とにかく今回はご苦労だった、何か一つ私的に言うことを聞いてやりたいんだが何かないか?」 「今回のこともいつもと同様 任務 です。不知火が特別に褒められるようなことはしていません」 労う言葉にもそっけない不知火の態度に笑いをこらえる提督。 「本当に仕方のないやつだな、では命令だ不知火。今回の働きに対してして欲しいことを言え」 「そんなことを言う暇があるのでしたら…」 「 自分の仕事を進めろ というのは除外でな」 「……」 先手を打たれて不機嫌な表情になる不知火。 してほしいこと…と言われて何故か脳裏に頭を撫でられて嬉しそうだった駆逐艦娘達の表情が浮かぶ。 以前頭を撫でられた感触は不思議と消えずに不知火の記憶に残っていた。 「では…その…不知火も頭を…」 思わず言いかけてハッとして言葉を切る。 しまったという顔をした不知火が腕を引かれて提督に抱きしめられたのは次の瞬間だった。 不知火を抱きしめたままそのままもう片方の手で頭を撫でる提督。 「…不知火は抱きしめて欲しいなどとは一言も言っていませんが」 ドスの効いた声で不知火が抗議する。 「仕方がないだろう」 「何が仕方がないのか不知火にはわかりません」 「不知火が可愛すぎるんだから仕方がない」 「…ッ!?」 思ってもみなかった言葉に不知火は硬直してしまった。 「…それは理由になっていないと思います」 「そうか?」 糠に釘な調子で提督は不知火を離さない。 「それとも皆のいる前で頭を撫でられたほうがよかったか?」 ビクッっと不知火の体が跳ねそうになる。 普段からこんな態度の自分があんな場所でそんなことをされたら格好のからかいの材料になるだろう。 なんということはない、提督は提督なりにあの場で不知火に気を使っていたのだ。 それでもこんな不意打ちをされて不本意であることには変わりはない。 「ですが不知火は…」 「命令だ不知火。このまましばらくいさせろ」 およそ命令とは思えない優しげな声が不知火にかけられる。 「…ご命令…ならば」 命令という名の名分ができたからかどうかはわからない。 だがその言葉をかけられた数秒後、強ばってた不知火からは力が抜け提督にその身を預けてきた。 黙って不知火の頭を優しく撫で続ける提督。 胸に顔を埋めた不知火の表情は提督からは見えなかったが 部屋の中は数分後とはまるで違う優しい空気に包まれていたのだった。 ***************** 「司令、お茶が入りました」 「ああ、ありがとう」 お茶を受け取りながら不知火の頭を撫でる提督。 最近は不知火も慣れたのか、撫でられて感情を出すことはなくなったようだ。 執務室にいるときもだいぶ表情が柔らかくなっている…ような気がする。 しかし今日は少し不機嫌そうであった。 提督は先ほどの出来事を思い出していた。 「…あぁ?」 「…司令への侮辱的な発言は不知火が許しませんよ?」 「へぇ、面白い。許さないってんならどうするってんだ?」 「……」 そもそもは大したことのない会話が原因だった。 「しっかしうちの提督ってのは変わってんなー」 「あん? 例えばどういうところが?」 摩耶と天龍龍田が廊下で立ち話をしていた。 「あ~なんとなくわかる気がするわ~」 「いやだから何が?」 話についていけない天龍が何なんだよという表情で二人に聞く。 「だってよー、部下で戦力って扱うのはわかるけど、あたしら全員女だぜ? 他のところじゃ浮いた話の一つや二つじゃすまないだろ?」 「あーそ-いうことか」 「そうね~中にはゴールインしちゃった娘もいるらしいわね~」 「そういやセクハラが過ぎて憲兵にしょっぴかれて軍法会議にかけられた提督もいたっけか?」 とまぁこんな話である。 だが、たまたま不知火が通りかかった時の摩耶の言葉 「あれじゃねーの?実はホモとか(笑)秘書艦もずっとあの色気のねー殺伐駆逐艦だし」 そう言ってカラカラ笑う摩耶。 別に他意があるわけではなく、裏表がなく口の悪い摩耶のいつもの調子で出た言葉であった。 だが足音も立てずに3人に近づいた不知火が殺気満々で摩耶へ言葉をかけたのであった。 「不知火に対する言葉は別に構いませんが司令への無礼な発言は見過ごせません」 そして上記の状況につながる。 「ま、まぁまぁお前ら。喧嘩はあんまりよくねー…」 「あ゙?」「摩耶さんとお話中ですので天龍さんは下がっていてください」 「ひぃっ!」 摩耶と不知火のガチな殺気に当てられて咄嗟に龍田の後ろに隠れる天龍。 龍田はあらあら困ったっわねーという笑みを浮かべながら本当に困っている様子。 まさに一触即発のその時であった。 「お前達何してるんだ?」 当の提督本人が廊下の影なら現れた。 「こいつが」「摩耶さんが」 「実はね~カクカクシカジカなのよ~」 二人の発言をあっさり遮って事のあらましを簡単に説明する龍田、ちなみに天龍はまだ少し涙目である。 それを聞いた提督は心底呆れたように一言 「…アホか」 「他人のことを言うんなら先に自分が作ってからにしておけ」 と艦娘には難しいであろうことをあえてあっさり言い放って摩耶を黙らせる提督、そして不知火にも 「そんな言葉にいちいち反応するな、キリがないぞ」 「チッ、わかったよ」 「…了解しました」 渋々矛を収める二人、この状況での一番のMVPは龍田で間違いないだろう。 何はともあれこの騒動はこれで収まったのであった。 執務室での作業中、珍しく何度かちらっと提督に目線を送る不知火。 それに気づいた提督は不知火に声をかけた。 「どうした、何かあるのか?」 「いえ、私的な質問なのですが」 「うん」 お茶を飲みながら先を促す提督。 「司令は普段からの性欲をどう処理しているのですか?」 「ブッ!!!」 思いもよらない言葉にお茶を吹き出す。 「……いきなり何なんだその質問は……」 「他所の鎮守府では部下へのセクシャルハラスメントや休暇を利用しての風俗街廻りで処理していると聞いたことがありますが 指令はお休みも取られませんし気になった次第です。それともまさか本当に…」 「そんなわけ無いだろう、人並みかどうかは知らんが性欲ならある。聖人君子じゃあるまいし」 「では?」 この先を自分の口から言わせるのか…と、提督が恨めしそうな目で不知火を見るが 不知火の表情はいたって真面目である。 「…適当に自慰で処理をしている。これでいいか」 もうどうにでもなれという表情でぶちまける提督。 性欲がないわけではない、だが自分の大事な部下をそういう対象にはしたくなかったし 何より仕事が忙しすぎてまともに休みが取れなかったのだ。 まるで逆セクハラだと言わんばかりに渋面の提督 だが不知火は全く表情を変えないまま「では不知火がお相手いたしましょうか」 「は?」 鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる提督。 え、ちょっと待て、何言ってるのこの娘。というかこれ不知火だよな? 不知火がこういうこと言うか? 大混乱の提督。 「欲求不満で仕事に支障が出られたりすると不知火も困ります」 「いや、別に今までも支障とか出してはいないだろう? 第一そういうことをさせるのは…」 「不知火では…お嫌…でしょうか?」 不知火の目は真っ直ぐに提督を見つめている。 頼みますか? コマンド >Yes >Yes 「ああもう!」 提督は諦めたように頭を掻くと 「じゃあ、してもらうが…嫌だと思ったらやめて構わないからな」 「はい」 返事をして提督の傍に近づく不知火。 しかしそこから何をするわけでもなく立ったままだ。 「……不知火?」 「司令、不知火はこの方面の知識には著しく疎いです。なのでご指導、ご鞭撻お願いします」 天を仰ぐ提督、つまりやり方がわからないので教えて欲しいということか。 「わ、わかった…じゃあ、手でやってくれ、やり方は…」 提督の指示に従い、不知火はぎこちなく提督のズボンのジッパーを下げ一物を取り出した。 さすがに興奮よりも困惑の方が優っていて勃ってはいない。 「これが提督の陰茎ですね。それで、どうすればよろしいでしょうか?」 状況に振り回されている提督とは逆に、不知火はじっと提督の一物を見つめて指示を待っている。 「はぁ…そうだな、それを手でしごいてくれ。乱暴にはしないでくれよ」 もうどうにでもなれという提督は不知火にやり方を教えていく。 「クッ…」 わずかに体温を伝える手袋の感触が提督を包む。 『あの』不知火が自分のモノをしごいている。 そう考えると急激に股間に血が集まっていくのがわかった。 「あ…」 不知火の手の中で急激に勃起してゆくペニス。 「…司令…これでよろしいのでしょうか?」 竿をしごきながら上目遣いに提督を見る不知火。 その様子が妙に可愛らしく、さらに肉棒は硬さを増してゆく。 「ああ…もう少しだけ強くても大丈夫だ」 股間の快楽に耐えながら不知火に指示を出してゆく。 「そう…もう少し動きを早く…ッ…」 忠実に指示を実行する不知火の手の中で肉棒は更に膨らんでいく。 先走り汁が手袋を汚し、潤滑油としてヌルヌルと肉棒に刺激を与えてゆく。 (マズイ、そろそろ出そうだ…って、あ…) 今の状態、つまり提督の目の前で不知火が奉仕してる状況 このまま出すと行き先は不知火の顔に… 「ま、待て不知火! このままだと出る!」 「…はい、射精されるのですね。それなら不知火にもわかります。どうぞお出しください」 ごく基本的な性教育かなんかでの知識でしかないだろう答えは、提督の問の答えにはなっていない。 そのままさらに手の動きを早める不知火。 「ク……だからちょっと……!!」 待てと言おうとした提督だが、これまでより少しだけ力を入れた不知火の手がカリを刺激した瞬間 欲望の先端から白濁液が放たれ、不知火の顔を存分に汚した。 さすがにびっくりした様子の不知火、だが 「これが精液ですか、こんなに勢いよく出るとは思いませんでした」 なおも緩やかにペニスをしごきながら冷静につぶやく。 顔を精液に汚されながら動じない不知火を見ていてなんだか妙に腹が立ってくる提督。 「…不知火」 「はい」 「…次は口できれいにしてくれ」 「口で…ですか?」 ここまでくるとある意味やけくそになってくる、断られたら断られただ。 だが… 「これで…チュッ…よろしいのでしょうか?」 不知火は迷うことなく肉棒の先端に舌を当ててきた。 一度精を放った直後だというのにその一舐めで元気を取り戻し始める肉棒。 「…司令」 「なんだ?」 「苦いです」 「まぁ…そうらしいな」 さすがそんなもの舐めたことないのでわからないが一般的には苦いらしい。 「やめておくか?」 一応聞いてみるが不知火は 「いえ、まだ十分ではないようですので」 と躊躇なく口をつけてきた。 「ああ、そうだ。次は裏のところを舐めるように…」 提督の指示に従って見ようによっては夢中で提督のペニスを舐め回している不知火。 その様子は見る人が見れば女版バター犬といったところだろうか。 すっかり硬さを取り戻した肉棒を前に、一旦不知火が舌を離す。 ツーッとペニスと不知火の舌のあいだにヨダレが糸を作る。 「この後は…どうすれば…」 自身の行為に多少は何かしらのことを感じているのだろうか、微妙に不知火の息が荒い。 「そうだな、ゆっくりでいい。口で咥えてくれ…歯は立てないでくれよ?」 すっかりその気になってしまった提督が言うと不知火は 「…ふぁい…こうれひょうか…」 と提督の肉棒を口に深く咥え込んだ。 そのまま提督の命ずるまま口全体で肉棒を刺激し、舌で先端を舐め上げ、ゆっくりではあるが頭を振る。 その度に不知火の口からヨダレと先走り汁の混じった液体がこぼれ、ジュボジュボと淫猥な音を立てる。 懸命に刺激を与えようとしてくる不知火の頭を優しく撫でてやると、僅かではあるがうっとりとした表情を浮かべた。 「不知火…出すぞ…!」 コクッと頷くと今まで教えたことを可能な限り同時に行って提督を射精に導こうとする。 その行為によって一気に絶頂に達する提督。 「クッ…不知火!」 不知火の口の中に欲望の塊が放たれてゆく。 「ン!…ンンンンンッ!!」 しっかりと肉棒を加えたまま一滴もこぼすまいと口をすぼめる不知火。 ドクンドクンと提督の全身を脈打たせながらようやく射精が止まる。 射精が止まるのを待ち、そのまま精液をゴクリと飲み込んでしまう不知火だったが 「ゴホッ!ゴホッ!!」とむせてしまう。 「だ、大丈夫か?」 と背中をさする提督だが 「……不知火?」 「………」 不知火の体が熱い。 「もしかして…感じていたのか?」 「不知火には…よく…わかりません」 もしかすると初めて体験しているであろう感情を無理やり押さえつけようとしているようにも見える。 「……不知火」 もう一度名前を呼ぶ。 「……はい」 珍しく目線をそらし、微妙に頬が赤らんでいる不知火。 「まだ続けても…良いか?」 「……ご命令……ならば」 「……命令でなければ、ダメか?」 「………」 しばしの沈黙 「……不知火は……」 「……」 「不知火は司令に……続きを教えていただきたい……です……」 最後は消え入りそうな声で懇願する不知火を抱きしめるとそのまま唇を奪う。 一瞬ビクリとする不知火だが、すぐに力を抜きその体を預けてきた。 司令室に置いたままの布団を広げ、不知火を寝かせる。 背中を優しく撫でてやるたびにピクッと反応する不知火の身体。 「司令……」 いつもならば決して見せない不安げな表情の不知火を安心させるように頭を撫でてやる。 「ん……」 撫でるたびにいつもは鋭い眼光を宿す不知火の目に陶酔感が混じってゆく。 そして不知火の控えめな胸を服に手を入れてブラ越しに 引き締まったヒップをスパッツ越しに優しく撫でてやる。 「はぁっ…くぅん!」 未知の刺激に対して必死に声を抑えようと抗う不知火。 もしかすると自分で弄った事もないのだろうか そんなことを思いながら提督は不知火の秘所に手をのばす。 「あ…司令…!」 既にスパッツに包まれた秘所はこれ以上ないほどに蒸れていた。 あえて脱がさずにスパッツの上からスジをなぞり、ぷっくりと浮き出ている突起を刺激する。 「ひゃぅ…! し、司令! そ、そこはだめです、そこを触られると不知火は変になります!」 「…どう変になる?」 「よ、よく…あっ…わかりませっ…んん…!」 既にスパッツの向こう側からはっきりとした水音が聞こえてくる。 たまらずスパッツの中に手を滑らせ、直接そこを弄るはじめる提督。 スパッツの中のムァっとした熱気とともに不知火の愛液が手に絡みついてくる。 「ッ…!ッッ!!…ンッッ!!」 必死に声を抑えるために提督にしがみつき歯を食いしばる不知火だが もはやそれも提督をよりいっそう興奮させてしまう行為でしかない。 なおも不知火の秘所を弄りながららもう片方の手でスパッツを膝まで脱がす提督だが あまりに頑なに声を抑える不知火を見て悪戯心を抱いてしまう。 「…不知火」 「は…はい……司…令」 パッと見焦点の合っていない目で答える不知火に提督は悪戯っぽく声をかける。 「『命令』だ。声を抑えるな」 「……え……?」 そう言うやいなやスパッツを脱がされた不知火の秘所に舌を這わせる提督。 ピチャピチャといやらしい音を立てながら提督の舌が不知火のぷっくり充血した割れ目を、皮を剥かれたクリトリスを蹂躙していく。 「あっ!…クッ…はぁッ…!!」 「不知火…命令だぞ?」 「で……ん!…ですが…!」 今は夜だが消灯時間ではない。 こんなところで声を上げたら絶対に誰かに聞こえてしまう。 そう必死に考える不知火に対してなお「命令だ不知火」と提督は声をかける。 不意に強くクリトリスを吸われた瞬間、不知火の中で何かが弾けた。 「…あっ…あっ…し…れい…!司令!!」 提督の顔を逃がさないとでいうかのように太ももではさみ、与えられる刺激に嬌声を上げる。 普段の彼女からは絶対に想像できない姿に興奮と愛しさを覚えつつ 頬に当たるハリのある太ももの感触を楽しみながら不知火を責め続ける。 「司…令…!なにか…きます! だめです!ダ…ダメで…!!」 そう言った直後、大きくビクンと跳ねた不知火の秘所から大量の愛液が吹き出て提督の顔にかかる。 はぁはぁと荒い息を付きつつ、提督は不知火を見る。 不知火もまた荒く息を付きながら放心した表情を見せている。 身体はまだ時折小さくビクッと跳ねている、どうやらイってしまったらしい。 「…不知火」 声をかけるとハッと我に返った顔で提督を見る。 そしていきなり謝ってきた。 「申し訳ありません、不知火の落ち度です…司令にしてさしあげなければいけなかったのに…」 「ああ、それなら大丈夫だ」 苦笑しながら体をずらして肉棒を見せる提督。 それはこれまで見た状態に比べて更に大きくなり、ビクビクと震えていた。 「不知火が可愛すぎたからな」 そう言いつつ言葉に詰まっている不知火を抱きしめ耳元で囁く。 「じゃあ…いいか?不知火」 その言葉の意味するところはさすがに不知火にもわかった。 その上で微かに、だが確かに微笑みながら呟いた。 「はい…司令のお望みのままに…」 ゆっくりと不知火の割れ目をこじ開けながら提督の肉棒が中に入っていく。 さすがに痛みがあるのだろう、戦場ですら見せない涙を滲ませる不知火だが 「大丈夫か?」という提督の声に「大丈夫…です」と気丈に言葉を返す。 提督もできるだけゆっくりと不知火の中に入ってゆく。 膜は既に戦場での激しい動きにより破れてしまっていたらしく 血は流すことなく、ようやく提督は不知火の一番奥深くまで辿りついた。 頑張った不知火にご褒美と言わんばかりにキスをして 舌を口内に入れると躊躇いがちながら懸命に舌を絡めてきた。 「ゆっくり動くからな…」 そう言って言葉通り徐々に腰を動かす提督。 何度か抽送を繰り返し、体をあちこち愛撫しているうちにだんだん不知火の体もほぐれてきたようだ。 苦痛しかなかった声に噛み殺したような喘ぎ声が混じっている。 更に抽出を続ける提督はだいぶ力の抜けてきた不知火に声をかける。 「言ったはずだぞ不知火。声は抑えるな」 (それだけは…)と訴える不知火をあえて無視して、少し強めに突き入れた。 「アゥッ…!」 指をかんで声を押し殺そうとする不知火の腕を提督は優しくどけると 「もう一度言う。『命令』だ。声を抑えるな」と囁き、一転腰を早く動かしだした。 「あっ!…司令!…だめです…!それ以上されたら不知火は……!!」 抵抗の手段を取り払われ、快楽に流されそうになる不知火を一気に押し流すべく 提督はここぞとばかりに腰の動きを早める。 提督自身不知火のきつい締め付けにもう限界だった。 不知火の腕と足が無意識のうちに提督の体に絡みつき二人は深くつながったまま 「あっ!あっ!司令!!司令────ッ!!」 「クッ…不知火!!」 最後に不知火の一番深いところにたたきつけるとそのまま欲望を解き放つ。 今までとは比べ物にはならない量の精液が不知火の膣内に注ぎ込まれてゆく。 その暖かさを感じながら不知火はぼんやりとそのまま気を失ってしまった。 事後:提督 さて、最後までしてしまった…しかも那珂に。 自分で決めていたルールを破ってしまったことに対してはもう言い訳のしようがない。 だが… 不知火が気を失った後にこっそり体の汚れを取ってやったのだが、 その後また床に入って不知火を抱きしめている自分がいる。 最終的にいうと不知火にも言ったとおり「不知火が可愛すぎた」のだから仕方がない とどうしようもない理由付けをしている。 恐らくこの鎮守府内では誰も見たことがないであろう不知火の無防備な寝顔を特等席で見ない などということは今の提督には不可能であった。 明日が怖い気がしなくもないが「まぁなんとかなるさ」と提督も不知火を抱きしめたまま眠りに落ちていくのだった。 事後:不知火 今は真夜中過ぎだろうか。 司令に抱きしめられているおかげで時計が見えない。 どうしてこうなったのだろう、と不知火は自問してみる。 不知火としては昼間に「まるで女として魅力がないかのように摩耶に言われたから」 という理由だけは絶対に否定したいところであった。 とすると不知火は司令に好意を抱いていた、という理由が挙がってきてしまう。 確かに司令は不知火からすれば好ましい人物だったのは確かだが そこは艦娘としての矜持が強い不知火である。 実は司令に恋心を抱いていた、などという理由も正直否定したいところではあった。 しかしこうして抱きしめられて安心感を感じているのもまた否定できない事実だ。 散々激しく動いたおかげか再び眠気が襲ってくる。 また明日考えよう。 『また明日』普段であれば決して考えないようなことを考えていたとは気づかずに 不知火もまた眠りについた。 翌朝 「司令、起きてください」 「ん…」 不知火の声で目が覚めた。 「…」 「おはようございます」 「…ああ、おはよう」 「そろそろ離していただけると助かるのですが」 目の前にあるのはいつもの不知火の顔だ。 いつもに比べて近すぎる距離とお互い裸であることを除けば。 否応なく昨日の出来事が頭をよぎるが不知火のほうはまったく表情を変えない。 「起床時間まで後どれくらいだ?」 「司令の体で見えません」 そういえばそうか、と首を回して時計を見る。 まだ起床時間まで30分以上はあるだろう。 「後30分以上あるな」 「そうですか」 「……」 「……」 「不知火」 「はい」 「後5分このままでいさせてくれ」 「それはご命令ですか?」 「ああ、命令だ」 「…ご命令ならば」 ふぅっと呆れたようなため息をつき、不知火は提督の胸に顔を埋めてしまった。 表情は見えなくなったが提督にとっては心地よい満足感の漂う5分に浸ることができたのであった。 後日談 「ヤッホゥ不知火! 昨日さぁ」 「…なんですか?(ギロッ」 「い、いや、なんでもない…」 陽炎を追い払った不知火は盛大なため息をつく。 よりによってあの時一番近くにいた艦娘はどうやら青葉だったらしい。 止める間もなく噂は拡散され、朝からすれ違う艦娘の様々な視線にうんざりしていたのだった。 ほとんどの艦娘は 「よっ不知火! 聞いたぜ~昨日h」 「天竜さん、不知火に何か御用ですか?(ゴゴゴゴゴ」 「ヒィッ、た、龍田~!」 「あらあら~」 とこのように退けられるのだが同じ駆逐艦たちの「大人になるって羨ましい」オーラと 大型艦勢の生暖かい視線と提督ラブ勢の嫉妬の視線はもう遮り様がないのであえて無視している。 せめてもの償いに司令にはいつもの4割増しくらいの仕事を押し付けて憂さを晴らそうか。 そんなことを考えていると突然肩を叩かれた。 「よっ!」 「なんですか麻耶さ…」 「おめでとさん♪」 「ッ…!」 一言耳元で囁くとそのまま摩耶は走って逃げていってしまった。 そしてそこには真っ赤な顔のままの不知火が取り残されていたのであった。